試合レポート

大島vs川内

2021.10.09

大島vs川内 | 高校野球ドットコムこの試合のプレー写真は、記事の最終ページの下部に表示されています

行動の速さが生む余裕・大島

大島vs川内 | 高校野球ドットコム
大島2点目

 鹿児島大島は初回、5番・中 優斗(2年)のレフト前タイムリーで2点を先取。

 2回は一死から3連続四球で満塁とし、4番・西田 心太朗(2年)のレフト前タイムリー、重盗、6番・前山 龍之助(2年)のレフト線二塁打などつながりのある攻撃で打者一巡し4点を加えた。

 3回にも相手のミスで2点を加え、4回には満塁から1番・有馬 航大(1年)の走者一掃センターオーバー三塁打、犠牲フライで4点をダメ押し。8安打13得点と効率の良い攻めが目立った。

 エース大野 稼頭央(2年)は散発2安打、毎回の6奪三振の好投で、鹿児島川内打線に三塁を踏ませなかった。

 投打ががっちりとかみ合い、鹿児島大島が今大会初のコールド勝ちで2季連続の4強入りを決めた。

 四死球でたまった走者を打ってかえす。8安打で13得点、5残塁と効率の良い攻めができたのも「練習でやってきた成果」と塗木 哲哉監督。ストライクゾーンに来たボールを打ち返し、ボール球、中でも膝から下のボールには手を出さない。「打撃の基本」(塗木監督)を徹底できた。

 「この5日間で相手投手のビデオをじっくり見て、変化球が多いことやどういうコースに来るか、頭に入れて打席に立った」と4番・西田は言う。2回は3連続四球で制球に苦しむ相手投手に対して、変化球で来ると読み切って左前に弾き返した。

 試合開始直前のベンチ前整列、審判の合図で駆け出し、礼…1つ1つの行動が今までよりも速く、整っているように思えた。そういった部分の判断や行動の遅さがこれまでこのチームの課題だった。「日常生活から意識していること」(武田 涼雅主将・2年)が、勝ち上がっていくにつれて身につきつつある。

 「行動の速さは思考の速さにつながる」と塗木監督。守備でも打撃でも、行動を速くすることで次の準備をする余裕が生まれ、プレーにも幅ができる。初回、二走の武田は、5番・中の浅いフライがレフト前に落ちると確信して、素早くスタートして迷わず生還した。バックホーム狙いで内野が前進守備を敷いていたから、確実に落ちると判断した。2回二死一、三塁の重盗の場面では、捕手の二塁送球と同時にスタートを切った。「相手の捕手が自信を持って二塁送球していた。こちらを見ないで二塁に投げたからいけると思った」。スライディングの必要なく余裕で4点目のホームを踏んだ。

 行動や判断の速さは「まだ言われてやっている初歩の段階」と塗木監督の評価は厳しい。「競った展開や、もっと力のあるチームが相手でもできるようになる」ことを求めている。準決勝の相手は樟南。投打だけでなく、そういった部分も含めた「総合力」が試される一戦になるだろう。

(取材=政 純一郎

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大島・大野

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川内円陣

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大島13点目

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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