星野vs狭山清陵
前半は辛抱戦の末、終盤に打線爆発した星野が振り切る
三塁打2本と二塁打など5打数4安打だった星野・村木君
夜半にはかなりの量の雨があり、朝になっても小雨が降ったりやんだりで、予報もあまり芳しくないという状況だったが、予定の15分遅れでプレーボールとなった試合。雨天での中断は一度もなく進行した。しかし、初回の狭山清陵の攻撃で思わぬアクシデントがあった。
2四球と安打で一死満塁とした狭山清陵は5番深田 康生君が強烈に投手返しの打球。早川 翔大君のグラブをかすめて顔面を襲った2点打となった。早川君は気丈だったが、大事をとって交代。星野は急遽八木 沼大君を送り出さざるを得なくなった。しかし、八木沼君はその後を巧みに併殺で切り抜けた。八木沼君は、その後もしっかりと投げて勢いのあった狭山清陵打線を打ち取っていた。
そして八木沼君が踏ん張っているうちに何とか追いつきたい星野は5回、9番の村木 陽仁君が右中間に三塁打して出ると、1番の上村 郁也君が中前打で帰して1点差。さらにバントと四球で一死一二塁として、後藤 竜二君の中前打で同点に追いついた。それでも、狭山清陵の家城 暖大(やしろはると)君はその後の2人を抑えた。
こうして緊迫の試合は終盤に突入していったが7回、星野が突き放した。この回の星野は1番からの好打順で、上村君、3番林 拓歩君の安打などで一死満塁とし5番村西 孝介君の右越二塁打で走者を一掃して3点を奪った。さらに8回にも村木君の二塁打から1点をもぎ取り、9回にも村木君が右越三塁打するなどして3点を奪ってリードを確かなものとした。村木君は9番ながらこの日は5打数4安打で三塁打2本と二塁打1本。元々は2番を打っていたというが、この日は下位に入ったことで、楽に打てたということも影響していたのだろうか。体は大きくはないがシュアな打撃だった。
終盤に力を示した星野だったが、飯野勝監督は「楽には勝たせてくれませんねぇ。こっちは初戦で、向こうは1回勝ってきているということもあったかもしれませんが、硬かったですね。それに投手がよかったですよ、結局フライを打たされてしまっていましたからね」と振り返った。そして、「そんな中で、村木と上村の1年生がよく打ちました」と、下級生の活躍を評価していた。また、顔面直撃弾を浴びた早川君は、打撲という診断だったが、何とか自分で帰れる状態で一安心だった。急遽の登板で好投した八木沼君に関しては、「却って、気持ちが準備していないうちにマウンドへ行ったんで、何も考えなくて真っ白の状態だったからよかったんじゃないかなぁ」し苦笑していた。
今年の春~夏は、1年生がメインで戦わざるを得なかった狭山清陵は、夏の間にしっかりと練習を積んでいったという成果は見えていた。この秋に急遽指揮を執ることとなった柿沼 智貴監督は、「個々の力確実に上がってきていると思います。投手もよく投げたのですが、見てのとおりまだ体も細くて体力がありませんから、終盤はへばってしまいましたね」と、まずはスタミナを含めてパワーアップを今後のテーマとして掲げていた。
(文=手束 仁)
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