試合レポート

聖カタリナvs小田

2016.07.15

聖カタリナ学園、「先手」の戦いで初陣白星発進!

 通り雨がやみ、夏空に響く[stadium]松山中央公園野球場 (坊っちゃんスタジアム)[/stadium]一塁側スタンドをいっぱいに埋めた生徒たちからの黄色い声援。今年度から男女共学化に移行。それに伴い硬式野球部を創設した聖カタリナの記念すべき公式戦初戦はそんな全校を上げたサポート体制の中で始まった。

 そしてユニフォームを赤でそろえた聖カタリナはいきなりエンジンを全開にする。先発の新保 雄太郎(1年・175センチ76キロ・右投右打・松山中央ボーイズ出身)先頭打者にいきなり3ボールとするも、そこからストレート中心で押して4者連続三振。スタメン9人中8人が3年生の小田に先手を渡さない。

 そんな守りでの「先手」に打線も先手で応える。ストレート・スライダーを中心に意図をもって低めを突こうとする小田の先発・髙岡 優斗(3年・164センチ55キロ・右投右打・内子町立小田中出身)に対し、1回裏先頭打者の竹田 蓮(1年・一塁手・170センチ63キロ・右投右打・松山中央ボーイズ出身)が詰まりながらも、三塁線に落として二塁打とすると、二死三塁から4番・加形 篤史(1年・左翼手・右投左打・176センチ69キロ・宇和島市立広見中出身)が遊撃内野安打を放ち公式戦初の「1点」を刻んだ。

 さらに2回裏には5番・大森 貴仁(1年・162センチ58キロ・右投左打・西予市立城川中出身)の中越二塁打からはじまり、新保の適時打、竹田の2点適時二塁打、2番・玉井 陸翔(1年・中堅手・右投左打・174センチ63キロ・右投左打・愛媛松山ボーイズ出身)の適時打で4得点。ストレート・変化球問わず自分のポイントで振り切るスイングで確実に得点を重ね主導権を我がものとした。

 小田も3回表には二死一・二塁から2番・山﨑 貴晃(3年・中堅手・175センチ59キロ・内子町立内子中出身)、3番・髙岡の連続適時打で反撃。しかし、聖カタリナは5回裏、今度はソツのなさで決定的な7点目を奪った。

 無死一・二塁からのバントミス。だが、一走・大森は三塁手が併殺を狙い一塁送球するやいなやノンストップで三塁に到達。再び一死一・三塁のチャンスに変え、7番・八束 紫苑(1年・右翼手・右投右打・松前町立岡田中出身)はセーフティースクイズ。ここで小田の粘りを断ち切った彼らは6回裏に5点を奪って計18安打12得点でコールド勝ちを果たした。

 攻守に先手を打ち、ソツなく攻めて、最後は集中打。まるで熟練チームのような試合運び。この恐ろしき1年生軍団がさらに実力を出し切ったとしたら……。真夏の愛媛に「赤き旋風」が吹き荒れる予感が漂う。

(文=寺下 友徳)

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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