生光学園vs鳴門渦潮
生光学園、長打攻勢で悲願の初甲子園へ王手!
この準決勝、鳴門渦潮は昨年王者・第2シードらしく堂々と闘った。1回表一死一・三塁から4番・住江 龍蔵(3年・三塁手・174センチ77キロ・右投右打・ヤング阿南シティーホープ出身)、5番・加藤 圭汰(3年・捕手・173センチ73キロ・右投左打・鳴門市鳴門中出身)の連続適時打で先制したのをはじめ、4回までは毎回得点。2番・岡田 零葵(3年・遊撃手・170センチ65キロ・右投左打・徳島藍住リトルシニア出身)の5打数3安打1打点、8番・横田 衛(3年・中堅手・166センチ63キロ・右投右打・北島町立北島中出身)の4打数3安打が示しているように、上位から下位までしっかりとスイングができていた。
が、生光学園の長打攻勢はそれをも吹き飛ばす破壊力があった。初回は打者12人を送り込む6安打。うち長打2本で6得点。6対4と迫られた4回裏には4番・湯浅 麗斗(3年・左翼手・187センチ88キロ・右投右打・生光学園中ヤング出身)の中越三塁打に続き、5番・山口 留以(3年・捕手・右投右打・166センチ76キロ・生光学園中ヤング出身)が右犠飛を打ち上げ貴重な7点目をあげた。
生光学園の長打攻勢はなおも続く。5回裏にも二死二塁から1番・吉田 大成(3年・二塁手・173センチ73キロ・右投右打・生光学園中ヤング出身)が中越二塁打を放ち8点目。そして6回裏には無死一塁から4番・湯浅が左中間最深部へ大きな弧を描く推定120メートル2ラン。高校通算44本目・大会第12号は、昨夏甲子園・日本文理(新潟)戦で好リリーフしながら、昨秋から右肩痛に苦しみようやく夏に本格復帰した鳴門渦潮・鈴江 竜飛(3年・投手・170センチ67キロ・右投右打・ヤング徳島ホークス出身)の連続甲子園への夢を遠ざける一発となった。
生光学園は投げても4回から登板した2番手の梶谷 武史(3年・170センチ59キロ・右投右打・兵庫北摂リトルシニア<兵庫>出身)がアンダーハンドから相手に的を絞らせず、5回3分の2をロングリリーフし5安打3奪三振3四死球1失点。投打に持ち味を発揮した彼らは11対5で鳴門渦潮を下した。
生光学園はこれで元・北海道日本ハムファイターズの守護神である武田 久(現:日本通運)が2年生エースだった1995年と、昨年、徳島インディゴソックスから2016年に中日ドラゴンズから育成ドラフト1位指名を受け、今季は支配下登録・一軍登板も果たした木下 雄介がエース格だった2011年に続き、3度目の徳島大会決勝進出。彼らは春の低迷期を超えて得た結束力と、長打力の強みを出せた準決勝の手ごたえを糧に、王者・鳴門を倒し、悲願の初甲子園をつかみにいく。
(レポート=寺下 友徳)