PL学園vs布施
村田穏行(PL学園)
不安要素を抱えながらもPLコールド発進
10-0の5回コールドゲーム。スコアだけを見ると快勝のように見えるが、内容は今後の不安要素がいっぱいだった。
まずはエース中野隆之(3年)の肘痛再発。「7月に入って急に激痛が走った」と中野。河野監督も「キャッチボールにもなっていない状況」と現状を説明する。そんな中、井上大樹(3年)、難波清秀(2年)と残された投手陣が穴を埋めようと必死だった。
「今日は悪いなりにも抑えられた。中野は投げられないが、春も僕と難波で優勝しましたから大丈夫」と井上は気丈に話した。
野手陣ではショートの石崎祥平(3年)が3回に送りバントをした際、一塁手と交錯し左足と肩を負傷し途中交代。試合後、足を引きずる姿が痛々しかった。
「PL赤信号と書いておいてください」深瀬猛コーチが発した言葉も、あながち冗談と捉えられないような非常事態。河野監督も「今の状態ではよほど運が良くならないと甲子園に行けない」と浮かない表情だった。
それでも明るい材料もある。4番の村田穏行(3年)だ。初回、1死1,3塁からレフトスタンドへ飛び込む3ランを放った。「今日は調子が良かった。ベンチを外れた3年生のためにも打ちたかった」と笑顔。
6月中旬から4番に座る男は、ベンチを外れた悔しさを知っている。選抜を前にした今年2月、体育の授業中に他の生徒と接触し、左ヒザの皿が割れた。すぐに手術をしたが、本番には間に合うはずもなかった。甲子園はアルプススタンドから、チームメートの戦いぶりを見守った。
「(点の取れないチームを見て)歯がゆかったやろ。その気持ちを忘れるな」と大会後に、河野監督から檄を飛ばされた。
「選抜では自分のせいでチームに迷惑をかけてしまった。中野も投げたいと言っている、絶対勝って甲子園に忘れ物を取りにいきたい」とPLの新しい4番は高々と宣言した。
(文=松倉雄太)
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布施 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | ||||||||||
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PL学園 | 7 | 0 | 0 | 0 | 3X | 10 |
布施 楳木,村上和 – 橋本 PL学園 井上,難波 – 藤本