試合レポート

明石商vs高砂

2016.07.22

エース・吉高が器用なピッチングを見せ、明石商がベスト16進出!

 5回裏からエース・吉高壮が登板。この交代劇を見て、明石商は危機察知能力が高いチームだと感じた。

 明石商は2回表、一死一、二塁から8番津岡 就人が一塁線を抜く安打。さらに2番大西 進太郎(3年)の適時打で3対0と点差を広げた。春季大会と変わらず、ソツのない走塁と攻撃で加点していくところはさすがといえる。しかし5回表、併殺でチャンスを逃すと、4回まで無安打だった三浦功也からエース吉高を送り込んだのだ。予定通りに5回裏から変えるつもりだったかもしれないが、変えるタイミングが絶妙だった。

 その吉高はあっさりと三者凡退に打ち取り、5回を終えた。そして6回表には、一死一、三塁のチャンスを作り、1番山崎伊織(3年)が犠飛を放ち、あっさりと追加点を入れた。6回裏、高砂に初安打が出たが、無得点。5回表に併殺に打ち取って、高砂からすれば、さあ反撃だという心境だったはず。そこに躊躇なく吉高を投入できるところにこのチームの層の厚さを実感させる。三者凡退に打ち取ったところで、4点目をもぎ取る。相手からすれば嫌らしい点の取り方を見せる明石商は、7回表にも二死二塁から藤原 祐介(3年)が中越え適時二塁打で1点を追加し、5対0。さらに8回表には1番山﨑がランニングホームランを打って、6対0と大きく点差を広げた。

 吉高は133キロ~138キロのストレート、120キロ前後のスライダーで投球を組み立てていた。これは本気を出していないのか、それとも調子が上がっていないだけと思ったら、9回裏に一気にギアを入れた。コンスタントに140キロ~141キロを計測し、10球以上が140キロ以上。そして130キロ台も計測したスプリットで、この回は2三振を奪うなど、力のある投球を見せた。先発として力をセーブして、要所で力のあるボールを投げ込む投球を見せた後に、最終回では、クローザーとしてマックスの力で勝負する。こんな器用な芸当ができる投手がエースなのだから、頼もしいとしか言いようがない。今日は投げていないが、山崎に加え、山崎、吉高の3枚看板はかなり強力で、特に吉高は3回戦の関西学院戦で完封勝ちするなど、まさにエースに相応しいピッチングを見せている。

 なかなか手堅い勝ち方を見せている明石商。初の夏の甲子園へ向けて、ここまで登板がない山崎伊織がどこまで投げられるかにかかっているだろう。

(文=河嶋 宗一

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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