試合レポート

早稲田実業vs大森学園

2020.11.02

早稲田実、壽田、清宮の連打で好スタート!田和7回を奪三振12の力投

早稲田実業vs大森学園 | 高校野球ドットコム
早稲田実4番・清宮福太郎

 この日の[stadium]ダイワハウススタジアム八王子[/stadium]は、早稲田実登場とあって、朝早くから大勢の観客が詰めかけた。間隔を開けて座っているものの、これだけの観客の中で試合をすることはないだけに、大森学園は立ち上がり硬くなった。大森学園の先発は、投手と捕手の二刀流の松本 哲郎。背番号2が先発のマウンドに立つと、スタンドはざわめく。

 1回表、早稲田実は1番・石郷岡 大成が二失で出塁すると、2番・國光 廣太が送り、3番・壽田 悠毅の二塁打で、あっさり先制する。

 続く4番の清宮 福太郎は、中前安打を放ち、さらに1点を追加した。「真ん中のストレートです。引っ張って長打を打つのでなく、つなぐ意識でした」と清宮は語る。実は、松本は小学生の時に清宮と対戦し、本塁打を打たれたという。「小学生の時のことはよく覚えていませんが、今日対戦してみて、すごい選手だと思いました」と、松本は言う。

 初回の2点のリードは、早稲田実のエース。田和 廉には大きかった。田和は1回に奪三振2、2回には大森学園の6番・八田成に三塁打を打たれたものの、他の3人からは三振を奪った。伸びのあるストレートが外角低めのコーナーに決まり、大森学園の打線は手が出ない。

 早稲田実は5回表には、2番・國光の中前適時打や、3番・壽田の三塁打などで3点を入れ、試合を優位に進める。

 大森学園は6回裏に1番・松本の二塁打に、4番・矢吹 北斗の左前適時打で1点を返したものの、反撃もここまで。

 大森学園は6回表から、松本は捕手になり、右翼手だった背番号1の八田がマウンドに上がり、6回、7回を無失点に抑えたが、8回表には3安打、2四死球で2点を失った。

 早稲田実は7回までに奪三振12の失点1と快調な投球をしていた田和に代え、8回裏に左腕の佐藤 莞汰、9回裏には右腕の吉田 和真をマウンドに送り、しっかり抑えた。今後の展開を考えると、「2人を投げさせることができたのは大きかった」と、早稲田実の和泉実監督は語る。

 敗れた大森学園の石黒隼監督は、この秋から、和泉隆からバトンを受け継ぎ、監督に就任したばかり。「監督がいる中でコーチとしてやる方が楽ですが、一緒に成長していきたい」と語る。この試合、先発の捕手として起用した背番号6の半田 夢叶が、捕手として安定した力を発揮した。

 半田が捕手として定着すれば、石黒監督が、「打って、投げて、キャッチャーをして、フル回転しています」と語る松本の、投手としての比重も高くなるのではないか。3回戦で敗れたけれども、この大会で大森学園は、シード校らしい存在感は示すことができた。

 勝った早稲田実の清宮主将はこの試合、4打数1安打1四球の打点1。この成績に清宮は、「納得していません。もっと自分が打たないと駄目です」と語る。早稲田実の和泉監督は、「この大会で、彼らが成長してくれれば」と語り、夏を経験したエースの田和や、清宮、石郷岡をはじめ、選手の成長に期待する。準々決勝の対戦相手は、二松学舎大附。伝統校同士のプライドをかけた戦いになる。

(記事=大島裕史

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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