東海大菅生vs日大二
東海大菅生、日大二を破り準決勝進出!ピンチを救った遊撃手・岩田のファインプレー
8回裏、右前2点適時打を放った 7番・小山 凌暉(東海大菅生)
東海大菅生と日大二はこの夏の西東京大会でも準々決勝で対戦したのをはじめ、何度も対戦している。結果的には東海大菅生が勝っているものの、かなりもつれることも多いカードだ。この試合も、東海大菅生の優勢が予想されたが、かなりもつれた試合になった。
2回裏一死後6番・岩井 大和がレフト柵越えの本塁打を放ち、1点を先制。続く7番・小山 凌暉も左中間を破る二塁打を放ってチャンスを作る。続く8番・岩田 一真は二塁へ低い打球。微妙な判定であったが、二直となり、岩田だけでなく、飛び出した小山もアウトになった。ここで1点止まりだったことが、日大二に流れをもたらす。
日大二の先発、左腕の大野 駿介は東海大菅生について、「とてつもなく強いチームと思いました」と語っている。それでも「真っ直ぐを投げているつもりでも、その日によってシュートになったり、日によって違います」と大野が言う、左腕投手独特の変化球を用いて、東海大菅生打線をかわしていく。
一方東海大菅生の左腕・本田 峻也も左腕投手独特のクロスに入る140キロを超える速球や、スライダーなどを駆使して危なげのない投球をする。また本田の持ち味を、1年生捕手の福原 聖矢が引き出す。沖縄県出身の福原は、U12の日本代表に加え、U15でも2年連続で代表に選ばれている逸材。中学2年生の時にU15で本田とバッテリーを組み、本田から誘われ、東海大菅生に入っている。
この試合好守が光った東海大菅生のショート・岩田 一真
1-0の展開に、東海大菅生の若林弘泰監督は本田に、「完封しろ」と言っていたが、8回表日大二の攻撃で、この回先頭の9番打者で投手の大野に四球を与える。1番・杉山 大和は三振したものの、最後の球がワイルドピッチになり、大野は三塁に進む。2番・宮本 寛人には死球で一死一、三塁になり、3番・藤井 道万の左前安打で大野が生還して同点に追いつく。
なおも一死一、二塁で、東海大菅生は左の本田から右の鈴木 泰成にスイッチする。ここで日大二の4番・岩田 侑真は遊撃手のやや三塁寄りに強い打球を打つ。これを東海大菅生の遊撃手・岩田がダイビングキャッチして二塁で刺し、日大二の反撃を阻み、この回、日大二は1点止まりだった。日大二の田中吉樹監督は、「ショートがうまかったですね。あそこがポイントだったと思います」と語る。まさに勝負を左右するファインプレーであった。
8回裏東海大菅生は、日大二の大野の疲れもあり、猛攻を開始する。この回先頭の1番・千田 光一郎の中前安打で出塁し、3番・橋本 唯塔の左前安打と左翼手の失策で二、三塁となり、4番・堀町 沖永の死球で満塁。6番・岩井への四球で押し出しとなって勝ち越し。さらに7番・小山 凌暉の右前安打で2点を追加。それに失策も加わりこの回東海大菅生は4点を入れて試合を決めた。
日大二にとって東海大菅生がまたしても壁になった。それでも昨秋に続くベスト8。日大二の田中監督は、「昨年は個々の選手の力。今年は9人の力で戦っています」と言う。この冬、個々の選手の力が上がっていけば、まだまだ強いチームになるはずだ。
勝った東海大菅生は2年ぶりの準決勝進出。試合が終わった後は、次の対戦相手が関東一か八王子か決まっていなかったが、それでも東海大菅生の若林監督は、「次が大一番。僅差の試合になる」と言って引き締めた。
(取材=大島 裕史)