試合レポート

相洋vs横浜商

2017.04.19

相洋対横浜商、乱打戦を制したのは―

相洋vs横浜商 | 高校野球ドットコム
伊藤寛(相洋)

 春の強い風が吹く[stadium]サーティーフォー保土ヶ谷球場[/stadium]。さらには4月とは思えないほどの強い日差しも照り付ける中、この試合は両チームによる点の取り合いとなった。

 横浜商の先発は背番号10の上野、相洋はエースの伊藤寛をマウンドに送り込んで始まったこの試合。1回は両チーム無得点に終わり、試合が動いたのは2回表。一死一塁から6番・伊藤寛の当たりはセンターへのポテンヒットになりチャンス拡大。そして続く7番勝呂もまたライトへのポテンヒット、相洋が一点を先制。

 追いつきたい横浜商は3回裏、先頭1番の櫻井が初球をライト前に運ぶと、二死二塁と得点圏に進み、迎えたのは4番・恵。1回のチャンスに二ゴロに倒れている主砲は、その悔しさを晴らすかのようなライトオーバーの適時三塁打を放ち、1対1の同点に。

 しかし追いつかれた相洋は4回、すかさずヒットと四球で1死満塁のチャンスを作り、8番・西海の左前2点適時打などで再び4対1に。その裏の横浜商も負けてはいない、8番・内田のセンターへの二塁打で1点を返し、相洋へ傾いた流れを再び引き戻した。ただそれでも相洋はさらに突き放す。二死二、三塁のチャンスで打席に入った6番・投手の伊藤寛が自らを助けるセンターへの二塁打で6対2。

 点差を4点に広げられた横浜商は、6回裏に一点を返し、さらに7回裏の先頭・3番山口の当たりは強い風に流されてポテンヒットに。そして5番・八幡のライトフェンス直撃の二塁打で2点差に詰め寄り、その後二死となるも、7番の近村がレフトへ運び6対5の一点差とする。

 どちらのチームが試合を制してもおかしくないと思われる、そんな流れの中、8回からの相洋の攻撃が試合を決定づけた。この回には特に風の影響が強く出たのか、横浜商にとっては不運な当たりが続き、3点を失う。そして相洋は9回表、先頭の3番小栗のソロ本塁打で横浜商に引導を渡した。横浜商は9回裏に一点を返したものの、及ばなかった。

 結果的に12対6、両チームともに2ケタ安打の乱打戦となったこの試合だったが、風と日差しの影響を両軍の外野手が強く受けてしまい、目測を誤るなど苦戦を強いられた。だが両軍ともに、中軸だけでなく下位打線もしっかりランナーを帰せるという得点力の高さを見せてくれた。

 相洋の先発・伊藤寛は6回3失点で役割をしっかり果たし試合を作った。6回裏には二死満塁の大ピンチを招くも、フルカウントから直球で見逃し三振を奪い、窮地を切り抜けた。これが試合の一つの分かれ目になったのは間違いない。横浜商はこの試合に5人の投手が登板。どの投手もそれぞれしっかりとした投球を見せ、ブルペンの層の厚さを見せた。ただ、この試合のように守備が難しい状況の中で、どうピンチを切り抜けていくかというのは、夏に向けて重要課題になるだろう。

(取材・写真=編集部

相洋vs横浜商 | 高校野球ドットコム
注目記事
2017年度 春季高校野球大会特集

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.07.04

「速さが怖かった」 センバツ4強から学んだ走塁で市立柏が千葉の上位を狙う

2024.07.03

2度目の3連覇を目指す九州国際大付をはじめ、シードの久留米商、真颯館、沖学園も初戦に挑む、4日の福岡大会【2024夏の甲子園】

2024.07.04

福岡の公立校に現れた潜在能力バツグンの2年生投手・木村光士郎(田川)がベールを脱ぐ!

2024.07.04

5日に南北海道の抽選会実施!北海の連勝はどこまで続くのか<2024年夏甲子園>

2024.07.04

2年前の決勝の雪辱を胸に。日体大荏原「いつも通りのことを淡々と」

2024.06.28

元高校球児が動作解析アプリ「ForceSense」をリリース! 自分とプロ選手との比較も可能に!「データの”可視化”だけでなく”活用”を」

2024.06.28

最下位、優勝、チーム崩壊……波乱万丈のプロ野球人生を送った阪神V戦士「野球指導者となって伝えたいこと」

2024.06.30

明徳義塾・馬淵監督が閉校する母校のために記念試合を企画! 明徳フルメンバーが参加「いつかは母校の指導をしてみたかった」

2024.06.28

スコアラーが8ヵ月後エースに急成長! オリドラ2ルーキーを輩出した聖カタリナ学園(愛媛)に今年も190cm大型投手が現れる!

2024.06.30

突然の病で右半身が麻痺した「天才野球少年」が迎える最後の夏 あきらめなかった甲子園出場の夢、「代打の一打席でもいいから……」

2024.06.28

元高校球児が動作解析アプリ「ForceSense」をリリース! 自分とプロ選手との比較も可能に!「データの”可視化”だけでなく”活用”を」

2024.06.28

最下位、優勝、チーム崩壊……波乱万丈のプロ野球人生を送った阪神V戦士「野球指導者となって伝えたいこと」

2024.06.30

明徳義塾・馬淵監督が閉校する母校のために記念試合を企画! 明徳フルメンバーが参加「いつかは母校の指導をしてみたかった」

2024.06.23

プロ注目の大阪桐蔭・徳丸が大学生相手に決勝アーチ!直近3週間5本塁打と量産態勢!2年ぶり夏甲子園へ強打者の勢い止まらず!

2024.06.24

愛媛の組み合わせ決定!今春優勝の松山商・大西主将は「どのチームと闘っても自信をもってベストなゲームをしたい」シード4校主将が意気込み語る!