試合レポート

樟南vs鹿児島実

2016.07.26

鉾VS盾、「盾」に軍配・樟南

 県内最強の「鉾」(=攻撃力)を誇る鹿児島実、県内最強の「盾」(=守備力)がある樟南、好対照なチームカラーを持ち、互いに最強のライバルと認める2強の激突は、再試合となった2日前と合わせて、計24イニング、6時間27分の死闘の末、「盾」が「鉾」を機能させず、樟南が3年ぶり19回目の夏の甲子園の切符を手にした。

 2日前、延長15回までがっぷり四つに組んで1対1で引き分けたことを、両チーム詳細に分析したのだろう。スタメン、打順が大きく入れ替わっていた。

 樟南は、今大会、5番打者で最も勝負強い活躍をしている吉内匠(3年)を4番に抜擢し、5番には今大会が初のベンチ入りながら、代打2打席で2安打1打点と勝負強さを発揮した背番号20の積山水音(3年)を初スタメンに起用した。先発はエース浜屋将太(3年)に託された。

 一方の鹿児島実も、2日前無安打だった1番・追立壮輝(3年)を6番にして、2安打した加川由伸(3年)をリードオフマンで起用。先発は背番号10の丸山拓也(3年)だった。

 初回、鹿児島実は1番・加川がレフト前ヒットで出塁。2番・佐々木幸大(3年)がバントから一転、強打した打球がレフト後方に落ちそうな大きな当たりだったが、レフト吉内が好捕。ピンチを救った。

 その裏、樟南は1番・今田塊都(3年)がセンター前で出塁。死球、捕逸で一死二三塁と絶好の先制チャンスに初4番の吉内が左中間を深々と破る先制のタイムリー2点二塁打となった。

 鹿児島実はこれ以上失点は許されないと、早々にエース谷村拓哉(3年)にスイッチ。後続を絶つと、2回表には8番・喜岡大晟(3年)のセンター前タイムリー、3回には4番・綿屋がタイムリーを放ち同点に。その裏、樟南は無死満塁から併殺の間に3点目を入れた。

 5回表、鹿児島実はエラー、3番・中村天(3年)のライト線二塁打でチャンスを作り、4番・綿屋が敬遠で歩かされ、逆に無死満塁のチャンスを作った。

 準決勝は13回192球、決勝初戦は6回から15回まで139球を投げた浜屋は明らかに調子を崩しており、鹿児島実が一気に畳みかけるかと思われたが、樟南はここでリリーフに畠中優大(3年)を送る。

 畠中は5番・板越夕桂(3年)をファーストゴロ、6番・追立、7番・井戸田智也(2年)を連続空振り三振で打ち取って、最大のピンチを脱した。

 6回以降、畠中は被安打1、二塁も踏ませない力投で1点差を守り切り、樟南が3年ぶりの夏の甲子園への切符を手にした。

(文=政 純一郎

樟南vs鹿児島実 | 高校野球ドットコム
注目記事
第98回全国高等学校野球選手権大会 特設ページ

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.07.04

「学校と地域に支えられて戦う」県内有数の進学校・磐田南(静岡)、“潔く”戦って最高の夏に【野球部訪問】

2024.07.04

「速さが怖かった」 センバツ4強から学んだ走塁で市立柏が千葉の上位を狙う

2024.07.04

5日に北北海道大会の抽選会!クラーク記念国際と別海が軸、接戦を勝ち抜いたチームにも勢い

2024.07.03

2度目の3連覇を目指す九州国際大付をはじめ、シードの久留米商、真颯館、沖学園も初戦に挑む、4日の福岡大会【2024夏の甲子園】

2024.07.04

5日に新潟大会が開幕!帝京長岡と日本文理の対戦相手が決まる【2024夏の甲子園】

2024.06.28

元高校球児が動作解析アプリ「ForceSense」をリリース! 自分とプロ選手との比較も可能に!「データの”可視化”だけでなく”活用”を」

2024.06.30

明徳義塾・馬淵監督が閉校する母校のために記念試合を企画! 明徳フルメンバーが参加「いつかは母校の指導をしてみたかった」

2024.06.28

最下位、優勝、チーム崩壊……波乱万丈のプロ野球人生を送った阪神V戦士「野球指導者となって伝えたいこと」

2024.06.28

スコアラーが8ヵ月後エースに急成長! オリドラ2ルーキーを輩出した聖カタリナ学園(愛媛)に今年も190cm大型投手が現れる!

2024.06.30

突然の病で右半身が麻痺した「天才野球少年」が迎える最後の夏 あきらめなかった甲子園出場の夢、「代打の一打席でもいいから……」

2024.06.28

元高校球児が動作解析アプリ「ForceSense」をリリース! 自分とプロ選手との比較も可能に!「データの”可視化”だけでなく”活用”を」

2024.06.30

明徳義塾・馬淵監督が閉校する母校のために記念試合を企画! 明徳フルメンバーが参加「いつかは母校の指導をしてみたかった」

2024.06.28

最下位、優勝、チーム崩壊……波乱万丈のプロ野球人生を送った阪神V戦士「野球指導者となって伝えたいこと」

2024.06.23

プロ注目の大阪桐蔭・徳丸が大学生相手に決勝アーチ!直近3週間5本塁打と量産態勢!2年ぶり夏甲子園へ強打者の勢い止まらず!

2024.06.24

愛媛の組み合わせ決定!今春優勝の松山商・大西主将は「どのチームと闘っても自信をもってベストなゲームをしたい」シード4校主将が意気込み語る!