試合レポート

浦和学院vs本庄東

2017.05.01

浦和学院・佐野が毎回の16奪三振完封でベスト8進出

浦和学院vs本庄東 | 高校野球ドットコム
佐野 涼弥(浦和学院)

 さすがに佐野が先発した時の浦和学院は強い。改めてそういう印象を与えた試合となった。

 初戦、聖望学園相手にあと一人まで追い込まれながら、やや幸運な形で勝ちを拾った浦和学院と好投手・桐敷拓馬(3年)擁する本庄東との一戦、先発は浦和学院佐野涼弥(2年)、本庄東・桐敷と両エースが登板し試合が始まる。

 先制したのは浦和学院だった。2回表、この回先頭の山本晃大(3年)がライト線を破る三塁打を放つと、一死後、本田渉(3年)がセンターへきっちりと犠飛を放ち1点を先制する。

 浦和学院は4回表にもこの回先頭の山本がセンター前ヒットを放つと、続く秋山がきっちりと送り一死二塁とする。二死後8番・佐野がセンター前へタイムリーを放ち1点を追加すると、6回表にも、この回先頭の蛭間拓哉(2年)がセンター前ヒットを放つとすぐさま二盗を決め無死二塁とする。さらに続く山本の犠打が内野安打となり無死一、三塁とチャンスを広げると、6番・秋山がスクイズを決め3点差をつける。

 これでやや楽になった浦和学院は、7回表にもこの回先頭の森川が死球で出塁すると、続く矢野壱晟(2年)がきっちりと送り一死二塁とする。二死後、3番・家盛陽介(3年)がライト前タイムリーを放ち4対0とする。

 今日の佐野の出来であれば、4点あれば十分なアドバンテージとなった。佐野は、本庄東打線に対し、結局、この試合一度も連打を許さず、毎回の16三振を奪う圧巻の投球を見せつけ完封で本庄東を退けた。

 まず、本庄東だが、桐敷は強打の浦和学院打線に対し、臆することなく良く投げた。無駄な四死球も出さず、長打も山本の一本のみで、特に好機に畳みかけてくる浦和学院に対し、失点した後も落ち着いて後続を切り、ビックイニングは作らせないあたり、好投手の片鱗は見せた。

 守備陣もキャッチャーの肩はやや不安だが、外野からの好返球で刺すなど、この日無失策と堅かった。あとはこの日2度牽制で刺された走塁面の強化と、佐野のような投手からどうやって点をもぎ取っていくか、攻撃面のレベルアップが夏までの課題であろう。

 一方の浦和学院であるが、前の試合聖望学園が相手とはいえ苦戦し、この日も好投手桐敷が相手ということもあり、攻撃面ではやや堅く行った印象を受けた。中盤以降はきっちりと送り、スコアリングポジションに走者を進め1点ずつ得点を重ねる。佐野が抜群の安定感を誇るだけに、彼の登板時はこういう試合運びをしていれば、負ける可能性は極めて低いであろう。

 とはいえ、夏に向けてということを考えると、このチームの佐野への依存度が高いのはやや気になる所だ。本来は破壊力のある打線であり、足も絡められるチームでもある。次戦以降はもっと違った面も見せてくれるであろう。

(取材・写真=南 英博

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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