旭vs桃山学院
サイクルヒットに2HRと大活躍の櫻木（旭）
櫻木（旭）、サイクルヒットに2HRで勝利に大きく貢献
旭の5番・櫻木が大爆発。人生初というサイクルヒットでコールド勝ちに大きく貢献した。
先手を取ったのは桃山学院。
初回、1番・前田がヒットで出塁すると川島がバントをきっちり転がす。これが相手のエラーを誘い無死二、三塁のチャンスを迎える。3番・山元の犠牲フライで1点を先制すると5番・中川のスクイズなどで更に3点を加えた。
いきなり4点を追いかける展開となった大阪旭、2回に先頭の5番・櫻木がレフト前ヒットで出塁する。この一打が大記録への第一歩だった。6番・田中がフォアボールを選びチャンス拡大。ワイルドピッチでそれぞれ進塁すると内野ゴロの間に1点を返す。更に鈴木、小寺の連続タイムリーヒットでこの回一気に4得点、同点に追いついた。
そして3回、ランナー1人を置いて櫻木が左中間にホームランを放ち、勝ち越しに成功する。
これで乗ったのか櫻木の勢いは止まらない。5回にスリーベースヒットを放ち、サイクルヒット達成までツーベースヒットのみとした。そして旭の2点リードで迎えた6回、櫻木に打席が回って来た。9番から始まる打順だったが上位打線がつながり二死満塁のチャンスを作る。この絶好の場面で櫻木はレフト線にツーベースヒットを放ちサイクルヒットを達成。走者一掃の3点タイムリーツーベースヒットで試合の行方を決定付けた。
三塁コーチ・阪口（桃山学院）
観戦に訪れたお父さんも「家ではおとなしい子。中学でもそんなに打つわけじゃなく足だけが取り柄だったのに」と驚きと共に喜んだ。
とどめは5点リードの8回、ランナー1人を置いて打席が回るとコールド勝ちを決めるツーランホームランをレフトスタンドへ運んだ。この日近畿大学附属高校グラウンドで試合を行った4チームの保護者の中で、最も応援に熱が入っていたこの大阪旭高校。1つのアウトで、1本のヒットで十分盛り上が父兄がこのホームランで盛り上がらないわけは無かった。
櫻木のこの日の成績は5打数5安打で2ホーマー、7打点に4得点。1試合14塁打という大活躍でチームを勝利に導いた。
投げては、先発・野本が初回こそエラー絡みで4点を失ったが2回以降は立ち直り1失点。8回にマウンドに上がった背番号1の清水も2人のランナーを背負ったが無失点で切り抜けた。
桃山学院のエース・大山も失点を重ねても弱気な姿勢は見せない。大量失点でもマウンドにい続けることができたのは監督からの信頼の証だろう。
桃山学院にもいい選手はもちろんいる。
スタメンを外れたキャプテン・坂口だったが、笑顔と大きな声の三塁コーチとして最後までチームを盛り上げた。
1番・前田はヒット4本とデッドボールと、5打席全てで出塁した。
勝負は時の運、と言われるようにこの日は旭にツキがあった。点差のついた試合となったが両チームに力の差は感じなかった。きっと両チームともまとまったチーム力を更に伸ばし夏の大会を盛り上げてくれるだろう。
（文＝編集部）
