津名vs柏原
燃えろ エンジの青春！昨夏のベスト８超えを目指して
初回、兵庫柏原先発の守口昌秀(3年)が津名の攻撃を3人で抑えると、その裏に1番でキャプテンの前川昌聖(3年)があわや本塁打というレフトフェンス直撃の二塁打を放つ。2番・和田歩(3年)が送って一死三塁、絶好の先制機を作った。しかしここで津名の先発・村上大芽(2年)が踏ん張る。
3番・村上雄飛(3年)、4番・守口を連続三振。前川にはストレートを捉えられたが村上にはカーブで、守口にはスライダーで。どちらも追い込んでから低めの変化球で空振りを奪いピンチ脱出。両先発共に雨のため開始が2時間遅れた影響を感じさせなかった。
序盤3回は互いに無得点。小雨がぱらつく中での試合は中盤に動いた。
4回、津名は二死三塁のチャンスを作ると5番・島田樹希哉(3年)がインコースのストレートをうまくレフト前に運び1点を先制。エース番号を背負うがこの日はレフトでスタメン出場、バットで神田進監督の期待に応えた。
さらにこちらも本職は投手ながらライトを守る樋口大徒(1年)もライト前ヒットで続き一、三塁とすると片平祐生(2年)がライト前にタイムリー。効果的な3連打で2点を奪った。
しかし兵庫柏原も直後に反撃。一死から守口が安打で出塁すると5番・高見啓太(3年)が変化球に体勢を崩されながらもレフト線にうまく落とす。この当たりで守口は一塁から長駆生還、高見啓も三塁に進んだ。
初の連打で1点を返すと、津名の守備のタイムが解けてすぐの高見智萌(3年)の初球にスクイズを敢行。マウンド上の村上は三塁走者の動きが良く見える右腕で、近年はスクイズ外しの技術が高まっていることもありセーフティスクイズが主流となりつつあるが、高見啓は投球と同時にスタートを切っていた。
これはファールとなり仕切り直しとなったが、1球ストレートが外れた後、1ボール1ストライクからの3球目を警戒し過ぎたのか村上がワイルドピッチ。思わぬ形で試合は振り出しに戻った。
追いつかれた津名は5回の満塁のチャンスは逃すものの、6回に二死三塁とすると代打・渡辺修太(2年)がセカンドとライトの間に落とし勝ち越しに成功。7回にも廣田雄大(2年)、片平の適時打で2点を追加。この回からマウンドに上がった兵庫柏原の2番手・堂本翔馬(3年)の代わり端を捉えた。
大きな援護点をもらった村上は6回以降は1安打ピッチング。この日二塁打、内野安打、三塁打と当たっていた前川から始まる兵庫柏原の8回の攻撃を3人で抑えると、9回も三者凡退。
背番号11の右腕が6安打2失点で完投勝利を挙げた。村上以外にも4回に適時打を放った樋口や3回途中からファーストに入った神田翼(2年)ら2桁背番号の選手がきっちり仕事をこなした。津名の横断幕に書かれた文字は「燃えろ エンジの青春！」目指すは昨夏のベスト8超え。津名の夏はまだまだ終わらない。
（文＝小中 翔太）
注目記事
・第98回全国高等学校野球選手権大会 特設ページ
