試合レポート

春日部vs杉戸

2010.09.15

2010年09月15日 越谷市民球場

春日部vs杉戸

2010年秋の大会 埼玉県地区予選 代表決定戦

一覧へ戻る

小野君(春日部)

試合経験の差が出て、春日部が結果的に大勝

 改めて野球というスポーツは経験がものをいう部分が多いということを感じた。
というのも、選手個々の技量としてはさほど差があるとは思えなかったものが、結果として6回コールドゲームになった試合で、メンタル面を含めたそんな要素が大きく影響していたのではないかと思えるからだ。

 春日部はバッテリーを含めて半分ほどを旧チームから残して新チームが構成された。
一方、杉戸は3年生中心のチームで、ベンチ入りメンバーで新チームに残ったのは間下君と片野君の二人だけだった。フレッシュさがある半面、やはり代表決定戦という一つの舞台では不安もあったのではないだろうか。

 春日部では試合経験の豊富な捕手の広木君が肩のよさだけではなく、投手のリード面でも守りへの指示にしても、チームの統率という面でも優れており、扇の要としての役割を十分に果たしていた。打っても四番だが、この日は安打こそなかったものの、チームには余裕があったという印象だった。

小野投手も、広木君に引っ張られるようにいいリズムで投げていた。5回を投げて2安打無失点に抑えた。さらに、梅村君も代わり端に安打を浴びて1死二三塁のピンチを迎えたものの、守りにも支えられてその後を無難に凌いだ。
杉戸の海野君も決して悪い感じの立ち上がりではなかったのだが、四球、盗塁、飛球落球で1死一三塁となると、五番川島君の中前2点タイムリー打で春日部が先制。それでも、2回、3回ときっちりと抑えて、試合はある程度は競り合うだろうと思われた。


井之村君(杉戸)

ところが4回、先頭川島君の三塁手のグラブをかすめた二塁打はともかく、その後に四死球とバントを安打にしてしまうなどのプレーに押し出しも出ると、もう完全に浮足立ってしまった感じになった。結局、この回は打者10人で4点。5回も四死球から崩れてしまった。
それでも、あと1点でこの回でコールドゲームとなってしまうという場面で、さらに1死満塁を秋田君が踏ん張って5-2-3という併殺で取るなど随所に頑張りも見せた。佐藤君、大艸(おおくさ)君の三遊間などは難しい打球もきちんと処理していた。

杉戸の選手たちも個々ではきちんと練習をしてきたという印象もあり、経験を積んでいけば確実に伸びていきそうな雰囲気は十分に感じられた。これから、ひと冬越してどれだけチーム力として伸ばしていかれるか、高橋薫監督としても手腕の見せどころであろう。

(文=手束 仁

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.07.01

21世紀枠でセンバツ出場経験のある豊橋工科が今年の公式戦初勝利!海陽学園は1年生右腕の力投実らず【24年夏・愛知大会】

2024.07.01

【夏の甲子園・関東地区好カード一覧】帝京と堀越、健大高崎と桐生第一が同ブロックに!東東京・群馬で大注目の序盤戦!

2024.07.01

とわの森三愛、立命館慶祥などが代表、出場16チームが出揃う【南北海道大会出場校一覧】

2024.07.02

春優勝の公立校・春日が登場、30日から順延のセンバツ出場・東海大福岡も初戦、3日の福岡大会【2024夏の甲子園】

2024.07.02

福岡大会では福岡大大濠、大牟田がコールド発進、進学校・福岡は3日がかりの勝利【2024夏の甲子園】

2024.06.28

元高校球児が動作解析アプリ「ForceSense」をリリース! 自分とプロ選手との比較も可能に!「データの”可視化”だけでなく”活用”を」

2024.06.28

最下位、優勝、チーム崩壊……波乱万丈のプロ野球人生を送った阪神V戦士「野球指導者となって伝えたいこと」

2024.06.30

明徳義塾・馬淵監督が閉校する母校のために記念試合を企画! 明徳フルメンバーが参加「いつかは母校の指導をしてみたかった」

2024.06.26

【北北海道】北見支部では春全道4強の遠軽が登場、クラーク記念国際と好勝負演じた力見せる【2024夏の甲子園】

2024.06.27

高知・土佐高校に大型サイド右腕現る! 186cm酒井晶央が35年ぶりに名門を聖地へ導く!

2024.06.28

元高校球児が動作解析アプリ「ForceSense」をリリース! 自分とプロ選手との比較も可能に!「データの”可視化”だけでなく”活用”を」

2024.06.28

最下位、優勝、チーム崩壊……波乱万丈のプロ野球人生を送った阪神V戦士「野球指導者となって伝えたいこと」

2024.06.30

明徳義塾・馬淵監督が閉校する母校のために記念試合を企画! 明徳フルメンバーが参加「いつかは母校の指導をしてみたかった」

2024.06.23

プロ注目の大阪桐蔭・徳丸が大学生相手に決勝アーチ!直近3週間5本塁打と量産態勢!2年ぶり夏甲子園へ強打者の勢い止まらず!

2024.06.26

【北北海道】北見支部では春全道4強の遠軽が登場、クラーク記念国際と好勝負演じた力見せる【2024夏の甲子園】