試合レポート

専大松戸vs千葉学芸

2019.05.03

序盤のリードを守りぬいた専大松戸がベスト4進出!

専大松戸vs千葉学芸 | 高校野球ドットコム
試合に勝利しハイタッチをかわす専大松戸バッテリー

【熱戦の模様をギャラリーでチェック!】

 専大松戸千葉学芸。どちらも千葉県内の強豪を倒してベスト8までこぎつけた。夏のAシードを目指す戦いは初回から動く。

 専大松戸は2番・髙崎大和がライト前で出ると、3番・平山直之がレフトへ二塁打。ここで千葉学芸の中継ミスをついて髙崎が生還。さらに4番・丹呉響平のセカンドゴロの間にもう1点追加。2対0と専大松戸がまず主導権を握る。

 2回にも2番・髙﨑と3番・平山のタイムリーで4対0とした専大松戸。先発は杉田智也は2回まで千葉学芸打線をきっちり抑えていたが、3回に8番・佐々木拓人にライト前に運ばれると9番・鎌田稜の送りバントで二死二塁。ここで1番・廣田玲二にタイムリーを打たれ1点を返される。

 だが5回に専大松戸が6番・間中堅のレフトへのホームランで5対1とすると、そのまま杉田が千葉学芸を抑えてゲームセット。序盤に試合の主導権を握った専大松戸がAシードを確保した。

 専大松戸はシートノックから機敏な動きを見せており、レベルの高さを見せつけた。また縦のスライダーがストロングポイントの千葉学芸先発の小芝永久に対して大振りをせずに低い打球を飛ばしていく。攻守ともにバランスが取れたチームだと印象をもった。

 ただ中盤以降は千葉学芸2番手・鎌田の前に淡白な攻撃が増え、チャンスが作れなかった。序盤の4点も相手のミスが絡んでおり、ここがキチッとしていれば試合はわからなかった。好投手を多く擁する木更津総合に野手はどう対応していくのか。



専大松戸vs千葉学芸 | 高校野球ドットコム
好投を見せた千葉学芸2番手・鎌田稜

 一方の投手陣。先発した背番号10の杉田は左足を上げてから内側にひねりながら足を伸ばし重心移動。上半身を見ると、後ろが大きいテイクバックで勢いづいた右腕を振り下ろすオーバーハンドの投手。力むことが多く、重心移動に少し課題を感じるが、力強いストレートとドローンと曲がるカーブと切れ味鋭い縦のスライダーに魅力がある。

 前半はストレートで押していくが力みがちに見えたが、後半は変化球主体で上手く力が抜けているように見えた。エース・横山陸人と同じく旧チームから経験しているだけに、こういった引き出しの多い投球でチームを引っ張る姿をこれからも見られることを期待したい。

 そして千葉学芸2番手・鎌田はこの試合を引き締める素晴らしい投球を見せてくれた。鎌田は腕だけではなく、身体全体を下げながら腕を横に振る。見ている限りでは球速はそこまで来ているように見えないが、横のスライダーを交えながらボールを出し入れしながら丁寧に低めに投げた。

 低めへ丁寧にボールを集められると長打はなかなか出せない。無理に長打を打とうとすれば力みが生まれる。その結果、身体の開きは早くなりやすい。それではボールをジャストミートするのは難しく、凡打ばかりが増えていく。専大松戸ナインの様子を見ると決して大振りをしてはいなかったが、打線が繋がらなかった。根気強く投げ続けた鎌田は最後の夏にどんな投球を見せるのか。Bシード・千葉学芸の夏に注目したい。

(文・写真=編集部

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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