試合レポート

千葉北vs船橋二和

2013.09.06

計3時間強の中断を乗り越え、千葉北が延長11回サヨナラ!

千葉北vs船橋二和 | 高校野球ドットコム 

グラウンド整備する選手たち

 千葉県二次予選。130チームが出場する大規模な大会である。9月5日から熱戦が開幕となったが、この日は雨により多くの会場が中止となり、千葉県球場で行われた船橋二和 対千葉北の一戦も試合開始前に降った雨と雷雲の影響で、試合開始が遅れ、1時間15分遅れでプレーボールとなった。

試合はテンポよく進み、千葉北の先発・青木 絵夢(2年)、船橋二和の先発・村田 竜馬(2年)の好投で、5回表まで0対0の投手戦。5回表を終わって40分という非常にテンポの早い試合であったが、5回表終了時に土砂降りとなり、またも試合は中断。

球場全体が水浸しのようになり、このまま降り続けば、ノーゲームの可能性もあったが幸いなことに通り雨で、11時過ぎに雨は止んだ。だが水たまりができた状態で、時間がかかる。でも試合はなんとしてでも決行したい。その思いで、両チームの選手、監督、審判方の懸命のグラウンド整備を始めた。スポンジで水を抜き、入念なグラウンド整備により12時半に試合を再開できた。

試合再開後の5回裏、千葉北は一死から7番木之井の四球、8番青木 壮夢(2年)の犠打で二死二塁として、9番青木絵の右前安打で1点を先制する。

6回表、4番坂居 洵(2年)が左中間を破る二塁打を放つ。さらにバッテリーミスで、一死三塁となって、ここまで中前安打、左中間を破る三塁打を放っている5番佐久間が右飛。やや浅い飛球になったが、坂居は全速力で駆け抜け、セーフに1点を返し、同点へ。試合は振り出しへ。


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4打数4安打の活躍を見せた佐久間(船橋二和)

 その後はお互い走者を出すものの、なかなか点が取れず、試合は延長戦へ。決着がついたのは11回裏。千葉北は2番木村 祐也(2年)が左中間を破る長打を放つ、3番加藤 皓輝(2年)の犠打で一死三塁として、4番遠藤。

遠藤は初球からスクイズ。だがファールとなり、1ストライク。続く2球目。スクイズを外そうとして、ウエストボールを投げるが、遠藤はスクイズをせず、1ボール1ストライク。
3球目だった。
遠藤は外角球にくらいつき、一塁前へ転がした。フェアゾーンに転がした遠藤も見事だが、それ以上によかったのは2番木村のスタート。既に木村は転がした時点で、ホームの手前へ来ていた。サヨナラで千葉北が2回戦進出を決めた。

試合前の中断と5回裏の中断を合わせると計3時間強の中断。その中でも両チームとも集中力あるプレーで好ゲームを実現。雨で、地面がぬかるんでしまい、野手からすれば守りにくいグラウンドコンディションであったが、両チームともしっかりと守ることができていた。安定した守りが両投手のテンポの良い投球を生み出していた。

個人で目を移していくと敗れた船橋二和の佐久間が目についた。
5番ファーストで先発した佐久間は4打数4安打の活躍であった。身長は180センチを超えそうな長身一塁手だが、巧みなバットコントロールを見せた。やや猫背気味に構えた構えからしっかりとボールを呼び込んだところからシャープなスイングで右、左に打ち分ける。踏み込んだ足をしっかりと踏ん張り、体を開くことなく捉えることができるので、外角球をしっかりと叩けるのが強みである。足場が悪い中、一塁守備も卒なくこなしており、攻守で輝いていた。

(文=河嶋宗一

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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