なぜ体力測定をするのか
第10回 なぜ体力測定をするのか2010年12月15日
トレーニングの効果をしっかりと知ることが重要
こんにちは、アスレティックトレーナーの西村典子です。
皆さんは普段から自分の身体のことをしっかり把握していますか?
成長期でどんどん身長が伸びる選手もいれば、だんだん筋力がついてくる選手もいると思います。
今回は野球選手として体力測定の重要性について考えてみましょう。
トレーニングは、主に野球に必要な体力要素を鍛えるために行っています。
行っているトレーニングがきちんと体力向上につながっているのか、トレーニングをする前とした後では何が変わったのかといったことを知るためにも、定期的に体力測定を行うことはとても大切なのです。
体力測定を行うことで次のようなことがわかります。
1)現状を把握する
今の自分がどのような体力レベルであるのか、身体の大きさはどのように変化しているのかといったことを把握します。
その上で強化したい部位やどういった体力要素を伸ばしたいのか(例えば瞬発力やスタミナなど)といったことを決め、目的にあったトレーニングを行うようにします。
2)目標を設定する
今の自分の状態から考える目標を設定し、それに対してどのくらいトレーニングをするのかの量とプログラム内容を決めます。
目標は低すぎても高すぎてもトレーニングのモチベーション(やる気)に影響を及ぼしますので、手の届くレベルの少し高めの目標を設定するといいでしょう。
3)トレーニングの方向性を確認する
トレーニングを行っていてもあまり身体に変化が見られない、思うような体力レベルの改善が出来ない場合に、トレーニングの量や内容などを再検討し、場合によっては修正していく必要があります。
4)ケガをしたときの体力評価
ケガをしてしばらく野球が出来ない場合、またリハビリテーションなどを行いながら競技復帰を目指すときに、定期的に体力を評価し、競技復帰に必要な体力要素が回復しているかどうかをチェックします。
左右の筋力バランスが悪いとまた同じケガを繰り返すリスクが高まります。再びケガをしないようにするためにも必ず行うようにしましょう。
体力測定は継続的にやろう
体力測定の項目としては身体の大きさを測る形態測定や、さまざまな部位の筋力測定などがあげられます。
また専門的な測定としてベースランニングや遠投、スイングスピード、ピッチングの球速測定などを行う場合もあります。
測定する項目もいろいろありますが、まずは基本的な項目から始めて、その上で専門的な測定に進むとより実践的な数値が得られ、トレーニングや練習への意欲もさらにわくのではないでしょうか。
何よりも体力測定に一番大事なことは「継続すること」です。
定期的に測定をすることが選手の成長の記録ともなり、技術力向上への足がかりともなります。皆さんも体重や体脂肪といった身近な項目から定期的に測定する習慣をつけてみてくださいね。
(文=西村 典子)
次回、第11回公開は12月31日を予定しております。
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