グラブの購入に関する中高生球児の基準
グラブの購入に関する中高生球児の基準2010年12月08日
野球用具の一つであるグラブの購入に関して、中高生球児がどのような観点で商品選択をしているかを調査した。(調査期間:2010年3月〜6月、調査対象:中学生1871人、高校生1232人)
1. 購入前のイメージの有無 「8割の中高生球児が次に買うグラブをイメージ」
グラブを買う際にどのようなグラブが欲しいか、具体的なイメージの有無を調査した。
購入前にイメージを持っている人は、中学生、高校生でそれぞれ81%、79%と、8割近くが次買う予定のグラブのイメージを持っていることが明らかになった。
2. グラブを選ぶポイント 「高校球児の機能重視志向」
グラブを選ぶポイントに関して、「機能」、「デザイン」、「価格」、「メーカ」、「他の人と違うもの」の項目で調査した。
中学生では36%、高校生では50%が機能を選択し、他の項目に比べて最も大きな割合を占めた。特に高校生は半数もの割合がデザインや、メーカーロゴよりも機能を重視していることが面白い。また、中学生、高校生を通じてデザインが27%、19%と機能の次に大きな割合を占める。デザインやメーカロゴを重視する層の比率は中学生から高校生にあがるにつれて小さくなり、より機能を求めるようになっていると考えられる。
他に特記すべき事項として、価格に関しては、中高生がともに10%であった。これは、グラブ資金は主に保護者から支出されるため、価格はグラブを選ぶポイントとして重視されていないと推測できる。
(自由回答)
「軽さと手へのなじみやすさ(14歳)」
「素材の質、皮の硬さ(16歳)」
2-1. グラブにおける機能性 「中学球児はグラブの独自性を重視」
グラブの機能をさらに、「軽さ」、「素材」、「それぞれのグラブの独自の特徴」の3つの項目で、機能のどこを重視するか調査した。高校生ではそれぞれ31%、33%、36%とほぼ均一な分布となった。一方で中学生では29%、29%、41%と、グラブの独自性を重視している層が最も多い。29%だった高校生に比べて中学生は各メーカのオリジナル要素に注目していることがわかる。
(自由回答)
「手になじむこと。使って自分の手の形にすること(16歳)」
「柔らかく手の動きを再現できること(17歳)」
「できるだけ硬いもの(15歳)」
2-2. グラブにおけるデザイン 「グラブは色で選ばれる」
グラブのデザインをさらに、「色」、「ラベル」、もしくは「その両方」の3つの項目で、デザインのどこを重視するか調査した。結果は中学生、高校生でそれぞれ73%、68%の人が色を最重要視していた。つまり中高生のほぼ7割の人がデザインに関してはまず色に着目することがわかる。面白いことに、ラベルと色の両方を重視しているかというと、その割合はそれぞれ21%、29%と先の色に比べてラベルは重視されていないことが分かる。ちなみにラベルだけを重視する人の割合は6%、4%である。
(自由回答)
「色は黒、間は網状でないもの(15歳)」
「こげ茶のがすき(13歳)」
3. 総括
中高生球児のグラブの購入に関して調査した結果、特に機能性重視の傾向が目立つ結果となった。
近年では軽さや強度に特化したグラブなど、現在各社から様々な志向を凝らした商材が発売されている。それに呼応してか、中高生球児も知っているメーカーの中から機能を比べる傾向にある。また、その傾向は中学生から高校生に上がるにつれて大きくなっている。
さらにその機能に関して、軽さ、素材、グラブ独自性のそれぞれの項目でほぼ均等な結果であった。このことから、複数の基準を設け、総合的に機能を比較していると考えられる。
デザインに関しては、ラベルを差し置いて色の要因が強いことが明らかとなった。つまり好きなラベルだから、という理由でグラブを購入する層が比較的小さいことになる。