Column

力の方向

2011.04.20

第6回 力の方向2011年04月20日

【力の方向を意識してみよう】

みなさんこんにちは。トレーナーの田口です。

東海大相模選抜を制し一段落ついた高校野球ですが東日本大震災などの影響で部活どころではなくなってしまっているチームも非常に多いと思います。(この度、震災で被害にあわれた方々には心よりご冥福を申し上げます)

練習時間の短縮や、はたまた春休み中の活動禁止なんていったところも多く聞かれます。
しかし夏の大会の開幕まであと3か月。悔いのないように精いっぱい頑張っていきましょう!

今回のコラムの内容は『力の方向』についてお伝えします。皆さんの中でも熱心な選手なら、本屋さんに行ってトレーニングに関する本を購入し全体練習以外にも自主練習などで実践している人も多いでしょう。それは素晴らしいことです。そのモチベーションの高さが後にレベルアップに繋がってきます。

しかしトレーニングの教本を見ると、

①トレーニングの目的(筋力・スピード・持久力など)
②鍛える(使う)部位
③フォーム
④やり方(時間・セット数など)

などと、書いてあるものがほとんどですが『力の方向』まで書いてあるものはほとんどないと思います。いつも正しいと思ってトレーニングしているものがかえって、力の発揮方向が逆に働いているためパフォーマンス向上の阻害(そがい)になってしまっているケースも珍しくはありません。前書きはこれくらいにして、早速詳しい内容に入っていきたいと思います。

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力の方向性が上達へのカギ

【フロントランジ】

まず野球の動作について考えてみると、ほとんどの動作が前か横への移動になります。
後ろへの動きはほとんどありません。しかしよく高校生のトレーニングを見ていると無意識に後ろ方向へ力を発揮するトレーニングをしてしまっているケースが見られます。

その代表例が『フロントランジ』です。

一見前に大きく足を踏み出すので前に加速をかけるトレーニングと思われがちですが力を発揮しているのは後ろ方向ですね。そして、必ずつま先で蹴って戻ろうとします。これも後ろ方向へ力が働く要因です。

では逆にランジで前方向に力を働かせる種目はといいますと『バックランジ』です。このトレーニングでは踵で踏ん張れたり前回のコラムでの述べた『重力』をうまく発生させることで前方向へ簡単に進むことができます。

同じ前方向に推進力を与えてくれるトレーニング種目でも効果としては逆方向に働いてしまうことが多々あります。野球動作で後ろ方向に力を発揮するときは内・外野手が後方へのフライなどで交代するときぐらいでしょう(実際に後ろに力を発揮しているのは一歩目だけで二歩目以降は前方向に力を発揮している)。

また左右への力の発揮についても同様のことが言えます。考えてみましょう。

そして今後のコラムで理由を説明していきますが『拇指球(ぼしきゅう)』に体重を乗せたり『拇指球』で地面を掴む感覚を持ってしまっても後ろ方向に力を発揮するようになってしまうので注意してください。

この力の方向性というのが上達へのカギとなりますのでぜひ意識してトレーニングを行ってみてください。

(文=田口 亮

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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