感染症に気をつけよう
第30回 感染症に気をつけよう2011年10月15日
こまめなうがいや手洗いをしよう
こんにちは、アスレティックトレーナーの西村典子です。
スポーツの秋らしく涼しい過ごしやすい日々が続いていますね。秋季大会も佳境に入り、勝ち残っているチームはさらなる上を目指していることと思います。惜しくも負けてしまったチームはこれからシーズンオフを迎えます。この期間に基礎体力などを鍛えていくことでまたさらにレベルアップしてほしいと思います。
さて今回は気温が低くなり、気をつけたい感染症の対策についてお話をしたいと思います。
感染症といって真っ先に思い出すのが「風邪」。風邪を引き起こすウイルスは約200種類とも言われ、空気中に存在します。ウイルスは乾燥を好むため、これからの時期にかけて活動が活発になります。喉が乾燥してしまうとウイルスを通しやすくなってしまうため、こまめなうがいや手洗いが欠かせません。練習後や帰宅した時、人混みにいた時、空気が乾燥している時、朝起きた時(口腔内の菌の数が一番多い)など、気がついたら行うよう習慣づけましょう。チームでも練習後にうがいコーナーを設置して、うがい薬と紙コップなどを準備することも一つの感染症対策です。
【うがい・手洗いの方法】
・うがいは上を向いて喉の奥を洗うようにガラガラガラと行い、10数えて吐き出します。これをもう一度行いましょう。
・手洗いは石けんを使い、手のひらだけではなく、手の甲、指の間、指先と爪の間、親指の付け根、そして最後に手首を洗います。
また体の免疫力が低下してしまうとウイルスに感染しやすくなることもわかっています。疲れたなと感じているときは要注意! バランスの取れた栄養のある食事をとり、十分な休息・睡眠を取るよう心がけましょう。免疫力を高めるためにお手軽に食べられるものといえばバナナ。ヨーグルトとともに食べたり、牛乳を加えてのバナナジュースなどは特にオススメです。熱っぽさを感じたり、体調がすぐれない場合は練習を休み、体調回復に努めるようにしましょう。ムリに続けていると自分の体調が悪化するだけではなく、他の選手たちにも感染してしまう恐れがあります(参考コラム:体調がよくないなと感じたら)。
こまめなうがいや手洗いをしよう
また感染症といえばインフルエンザにも気をつけたいところです。インフルエンザはインフルエンザウイルスによって感染し、潜伏期間2~3日で発熱や頭痛を伴い、咳や鼻水といった気管支炎の症状があらわれます。予防対策としては風邪と同じくウイルスを体内に侵入させないための手洗い・うがい、そして体の免疫力を高めておくことがあげられます。高熱を伴った体調不良の場合は特にインフルエンザを疑い、早めに医療機関を受診するよう心がけましょう。
この他にもよく見られる感染症について理解をしておきましょう。
●肺炎・・・細菌やウイルスなどによってかかる。風邪と症状が似ているが長引く場合はすみやかに病院を受診する
●結膜炎・・・タオルの貸し借りや入浴といった接触によってうつることのある感染症。結膜炎を患っている人は他人にうつさないよう注意しよう。
●水虫、蜂窩織炎(ほうかしきえん)といった皮膚感染症・・・菌がうつることによって起こる感染症。素足でスリッパを履く、同じタオルで体を拭く等は感染の原因となりやすいので要注意。
感染症は身近で接触すると感染するおそれがありますが、過度に神経質になる必要はありません。まずは自分で出来る対策をしっかり行うこと、周囲の人への気配りを忘れないことを心がけて、チーム全体としても取り組んでいってほしいと思います。
【感染症を防ぐために】
●こまめに手洗い・うがいを繰り返すこと
●体の免疫力が下がると感染症にかかりやすい。十分な栄養・睡眠を取ること
●インフルエンザウイルスは風邪と違って重篤になりやすい。早めに医療機関を受診すること
●体調が悪いかなと思ったらムリをせずに休むこと。自分のためだけではなく周囲の人のためにも
●さまざまな感染症は身近で接触すると感染するおそれがあることを理解する
(文=西村 典子)
次回、第31回公開は10月30日を予定しております。