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重心移動~下半身編~(3)

2012.02.10

久保田正一本気の心技体

重心移動~下半身編~(3)2012年02月10日

『運動学・解剖学的観点から考えた投球フォーム、重心移動~下半身編~③』

 みなさんこんにちは!春の選抜甲子園出場校が決まりました。選ばれてあの甲子園でプレーできる選手も、惜しくも選出されず、悔しい思いをした選手も、大事なのはその先にある『目的』です。

 何のために甲子園に出場するのか?これが重要です。これがしっかりいれば、出場してもしなくても必ず自分たちのためになります。そして誰かのためになります。(参考:第3回 目的設定していますか?

 次の目標は夏の甲子園!それまで『何のために』を肝に銘じてしっかりと練習頑張って下さい!

 前回説明しました『真っ直ぐ足を出しなさい』で、つま先が正面向いている選手がいるとお伝えしましたが、正しいつま先の向きは少し斜めです。しかしこのつま先が正面を向いてしまう選手が多いのです。今回はそのような選手にどのようなエクササイズをすれば効果的かと言う話をさせて頂きます。(参考:第10回 重心移動~下半身編~(2)

[page_break:なぜつま先が内を向かなければならないか?]

なぜつま先が内を向かなければならないか?

向上

“ピッチングフォーム(試合記事より)”

 まず重要なのは骨盤です。骨盤が開くからつま先も開くのです。しかしつま先だけ斜めに向けようとしても、骨盤が開いてしまう選手もいます。
 そこでもう一度確認しなければならないことは、そもそもなぜ『つま先が内を向かなければならないか』です。

 これは骨盤の開きの早さを抑えるためです。骨盤が早くあいてしまうと、下半身の力を骨盤に伝えても、骨盤から体幹、上半身へと連動して力が伝わらなくなってしまうのです。いわゆる『手投げ』になってしまうのです。

 ですから重要なのは、骨盤を開かない状態でつま先を斜めに向けることです。こういって実際に選手にやってもらうと、つま先は斜めを向かずに真横を向く選手が多くいます。これでは体は正面に向きにくくなってしまい投げることはできません。ここがバッティングとスローイングの大きな違いです。

 よくバッティングとスローイングは似たようなものだ、と言われる方がおられるのですが、確かに類似している点はあるものの、根本的に違うというのが私の考えです。
 バッティングは前足を着いても止まらなければならない場合がありますが、(見送り)投球で前足を着いて止まるという動作はありません。

 という動きから考えてつま先は斜めになるのが通常の動きなのです。

[page_break:つま先が正面を向いている選手のためのエクササイズ]

つま先が正面を向いている選手のためのエクササイズ

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※詳しい解説イメージはPCからご覧ください。

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 ではここからエクササイズに入りましょう。

 まず椅子に座ります。椅子にやや浅く座った状態で足の歩幅をやや広めにとります。そこから踏み出し足(右投げであれば左足)のつま先を投げる方向(右投げであれば左方向)へ向けるのです。

 ここで注意点があります。それはまず骨盤は開かないこと。つまり右の骨盤と、左の骨盤を触り、投げる方向に対して一直線になっていることを確認して下さい。椅子に座っているので骨盤が動くことは基本ないのですが、選手によってはこの時点で骨盤が動く選手がいます。

 もう1つのポイントは、膝を正面に向けない、ということです。

 要は足首だけで投げる方向へ向けるのです。これが開かずにつま先を斜めに向けるということになるのです。(上図)最初はこのように椅子に座った状態から練習することをお勧めします。椅子に座ってできなければ、立った状態ではできないでしょう…
 この椅子でのエクササイズができたなら、前回紹介した立った状態での重心移動で、足の内側から着地する練習に移行してみて下さい。(参考:第10回 重心移動~下半身編~(2)

 さて皆さんできますか?

(つづく)

(文・久保田 正一) 

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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