宿毛vs高知小津
宿毛先発・畠山啓太（３年）
「マイナス」「プラス」交錯した乱戦。宿毛が明徳義塾挑戦権を獲得！
第1試合の「明徳義塾vs岡豊」で触れたように、高知小津、宿毛はたとえ今大会優勝しても、夏のシード権獲得までには至らない。ゆえに彼らにとって今大会はマイナスに考えれば、緊張感が希薄になりがち。
その一方、様々なことにチャレンジできる絶好の機会と考えることもできる状況である。
そして試合はそのプラス、マイナス両面が如実に現れた内容となった。1回裏・宿毛の４得点は相手の四死球３連続に、２連続失策が絡んだもの。
直後の高知小津があげた３得点も、「いいときと悪いときの差が激しい」と森裕嗣監督も振り返ったように、宿毛エース・畠山啓太（３年）が踏み出し足が割れる悪癖からの制球難に苦しみ、簡単にハーフスピードでストレートを投げ込んだところを叩いたもの。序盤はマイナスばかりが目立った。
ただ、中盤以降はプラスの要素が多かった。
高知小津は４対７で迎えた８回表に５番・岡上稜（２年）の右越２点三塁打などで同点に追い付く粘りを発揮。一方の宿毛も同点で下を向くことなく、9回裏に無死満塁から６番番・畠山の遊撃グラブ横を抜ける安打でサヨナラ勝ち。
「次は明徳義塾・思い切ってやりたい」と試合後に森監督は抱負を語ったが、プラス要素が最後に現れての乱戦勝利は、その予行演習と考える上においても、ちょうどよかったのかもしれない。
(文＝寺下友徳)
