鹿児島商vs出水中央
投手戦を制した鹿商・相良優太
投手の踏ん張りに、先に応えた打線は?
鹿児島商・相良優太と出水中央・藤川巧貴。両先発が火花を散らし8回までは息詰まる投手戦だった。
両校は春の県大会準々決勝でも対戦している。この時は、出水中央が先制するも藤川が序盤でつかまり、コールド負けだった。
雪辱に燃える藤川の気持ちが投球に表れた。2回に死球で出した走者を暴投で先制点こそ与えたが、7回2死まで鹿商打線を無安打に封じていた。
175センチ、76キロの強じんな身体から繰り出す重い直球と、キレのあるスライダーで鹿商打線を翻ろうしていた。
何とか藤川を援護したい出水中央打線だったが、鹿商の背番号10の左腕・相良もだまっていない。
前日(2回戦:鹿屋工)はエース福永翼に続く投手陣の柱になることを期待されて先発のマウンドを任されながら、序盤で失点して役目を果たせなかった雪辱をこの日にかけた。丁寧に低めに集めて出水中央に得点を与えなかった。
投手の踏ん張りに先に応えたのは鹿商打線だった。9回に打者10人、7安打の集中攻撃で一挙7点を加えて、藤川をノックアウトした。
出水中央はその裏、4番打者でもある藤川が意地の二塁打を放ち、その後の内野ゴロで1点を返したが、反撃もここまでだった。
(文=政純一郎)