試合レポート

作新学院vs宇都宮工

2012.07.29

春の雪辱

決勝カードは今年の春季大会の決勝戦と同じ作新学院対宇都宮工業。宇都宮工は昭和61年以来、優勝から遠ざかっている。昨夏の覇者・作新学院か、今春の覇者・宇都宮工業か。栃木県65チームの頂点を懸けた試合が始まった。

先発は作新学院筒井茂(3年)、宇都宮工尾島孝秋(3年)と背番号「10」をつけた投手の登板。
作新学院は2回表に山下勇斗(2年)の中前打で出塁すると、続く高嶋翔馬(3年)が送りバントで一死二塁とする。その後、捕手の悪送球で山下が三塁へ進み、作新が得点圏へとランナーを進める。しかしその後のバッターが続かず、作新学院はチャンスをいかすことが出来なかった。
続く3回表、尾島が鶴田剛也(3年)に四球を与えたところで宇都宮工は、投手をエース・星にスイッチ。しかし、星の制球が定まらず、篠原優太(3年)がレフト前ヒットで出塁。直後、牽制球がそれるエラーで進塁し、再び作新学院が得点圏にランナーを進める。
続く吉田紘大(3年)に死球を与え、二死満塁と宇都宮工はピンチを迎える。しかし、星は緩急つけたピッチングで後続を抑え、ピンチをしのいだ。

 

試合の流れを掴みたい宇都宮工は5回裏、小磯周平(2年)が三塁打を放ち勢いをつける。この試合、初めて宇都宮工が得点圏へランナーを進めると、続く篠原悠人(3年)のセンター前ヒットで小磯が生還、作新学院から1点を先制した。

しかし直後の6回表、「打」の作新学院が反撃に出る。吉田、山下がセンター前ヒットで一、二塁と出塁、続く高嶋が送りバントで一死二、三塁とする。ここで代打で登板した羽石裕紀(3年)がショートの頭上を越える三塁打を放ち、その間に2点を返し、宇都宮工を逆転した。7回表にも吉田が左方向へ大きく抜ける3三塁打を放ち、死球で出塁していた鶴田を生還させ、3対1と「つなぐ野球」で宇都宮工に差を付ける。

 
何とか追加点を入れたい宇都宮工だったが、筒井と6回に登板した水沼和希(3年)を攻略することが出来ない。
 
そのまま試合は動かず、ゲームセット。作新学院が「投」「打」ともに選手層の幅を見せつけ、2年連続の甲子園への切符を掴んだ。

(文=編集部)

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.06.24

愛媛の組み合わせ決定!今春優勝の松山商・大西主将は「どのチームと闘っても自信をもってベストなゲームをしたい」シード4校主将が意気込み語る!

2024.06.24

秋田の組み合わせ決まる!明桜が初戦からいきなり金足農と対戦、初戦から秋春の王者対決【2024夏の甲子園】

2024.06.24

昨夏甲子園出場の文星芸大附の卒業生進路紹介!主力は上武大、国士舘大、東京農業大へ進学!

2024.06.24

夏の滋賀を盛り上げる23人の逸材を紹介!近畿屈指の大型遊撃手・岩井(滋賀学園)、名門・近江の大エース西山など投打に人材揃い

2024.06.24

【北北海道】北見支部では北見工が33得点の圧勝でコールド発進【2024夏の甲子園】

2024.06.24

愛媛の組み合わせ決定!今春優勝の松山商・大西主将は「どのチームと闘っても自信をもってベストなゲームをしたい」シード4校主将が意気込み語る!

2024.06.21

なぜ高校野球の新たなリーグ戦は拡大し続けているのか?『チームのために個人がいる』ではなく『個人の成長のためにチームがある』~野球指導者・阪長友仁のビジョン後編~【『新しい高校野球のかたち』を考えるvol.7】

2024.06.23

プロ注目の大阪桐蔭・徳丸が大学生相手に決勝アーチ!直近3週間5本塁打と量産態勢!2年ぶり夏甲子園へ強打者の勢い止まらず!

2024.06.23

大阪桐蔭が名門・日体大に1勝1分け! スター選手たちが快投・豪快弾・猛打賞! スーパー1年生もスタメン出場 【交流試合】

2024.06.19

夏の兵庫大会のヒーロー候補21人!報徳学園・今朝丸、神戸弘陵・村上の「151キロ右腕二人」が筆頭格!投打にタレント揃いの東洋大姫路にも注目

2024.05.31

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在34地区が決定、佐賀では佐賀北、唐津商、有田工、龍谷がシードに

2024.06.24

愛媛の組み合わせ決定!今春優勝の松山商・大西主将は「どのチームと闘っても自信をもってベストなゲームをしたい」シード4校主将が意気込み語る!

2024.06.11

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在41地区が決定、長崎、高知、新潟、大分などでシードが決まる〈6月10日〉

2024.06.21

なぜ高校野球の新たなリーグ戦は拡大し続けているのか?『チームのために個人がいる』ではなく『個人の成長のためにチームがある』~野球指導者・阪長友仁のビジョン後編~【『新しい高校野球のかたち』を考えるvol.7】

2024.06.14

【福岡】九州国際大付は小倉商、東海大福岡は小倉南、春日は大川樟風、福岡大大濠は輝翔館と対戦【2024夏の甲子園】