試合レポート

狭山ヶ丘vs西武文理

2013.04.12

狭山ヶ丘vs西武文理 | 高校野球ドットコム

斉藤峻選手(狭山ヶ丘)

本当の制球力

 狭山ヶ丘 vs 西武文理、西部地区予選で屈指の好カードとなったこの一戦。
狭山ヶ丘は昨夏1年生エースとしてチームをベスト8へ導き、敗れた聖望学園戦でも5回無失点と好投した斉藤峻。一方の西武文理も1年の秋からエースとしてチームを引っ張ってきた3年生左腕・遠藤駿の両エースが先発する。

 狭山ヶ丘 の斉藤は「調子は良くなかった」というように序盤斉藤はストレートが走らず初回にいきなり1点を失う。
だが変化球中心の苦しい投球ながらその後は無失点に抑える踏ん張りをみせると、4回裏狭山ヶ丘打線が爆発する。一死から5番竹内がライト線へニ塁打を放つと、6番山崎も三塁強襲のニ塁打などで一死満塁。ニ死後、9番久保がレフト前タイムリーで同点とすると、さらに満塁で1番伊藤が左中間へ走者一掃のタイムリー三塁打を放ち4対1とする。続く大山もセーフティーバントを決めこの回5点を奪いほぼ勝負を決めた。

 狭山ヶ丘はの山田監督は遠藤対策として、
「追い込まれるまでは、まっすぐ狙いで変化球が多くなってきたらパスボールなどもあるので、足の速いランナーが出たら足でかき回して、甘く入ったボールを右打者が打つようにした」と話す。

 この意識がチーム内で徹底されていた。それが4回の集中打につながった。
「夏の疲れもあって秋は斉藤では不安な部分があった。斉藤中心で行こうとなったのはこの春から。今年のチームは一昨年や昨年のチームとは個性や能力では劣るが、その分斉藤を皆でバックアップしてまとまろうという部分がある」と山田監督は今年のチームの雰囲気、まとまりに自信を持っている。まだまだ斉藤の出来は手探り状態だが、一戦一戦勝ち進むと面白い存在になりそうだ。

 一方の西武文理だが、試合後遠藤は
「出来は悪くなかったが高めに浮いた所を狙われた。あの回は余裕がなくて球が真ん中周辺に集まってしまった」と猛省していた。確かに昨年に比べるとだいぶ四球は減った。走者がいない状態だと圧巻のピッチングをみせる。だが、走者がたまった状態になると制球が甘くなり痛打されてしまう。本当の制球力がない証拠だ。

 この辺りは本人も自覚しているようで
「下級生に投げ負けて正直悔しい。いつもここぞって所でやられてきたので。もっとここぞって所で投げきれるようにしっかり直さないと」と再起を誓う。最後の夏、本当の制球力を身につけた遠藤には真のエースとなって成長した姿をみせて欲しい。

(文=南 英博)

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.07.01

21世紀枠でセンバツ出場経験のある豊橋工科が今年の公式戦初勝利!海陽学園は1年生右腕の力投実らず【24年夏・愛知大会】

2024.07.01

【夏の甲子園・関東地区好カード一覧】帝京と堀越、健大高崎と桐生第一が同ブロックに!東東京・群馬で大注目の序盤戦!

2024.07.01

とわの森三愛、立命館慶祥などが代表、出場16チームが出揃う【南北海道大会出場校一覧】

2024.07.02

春優勝の公立校・春日が登場、30日から順延のセンバツ出場・東海大福岡も初戦、3日の福岡大会【2024夏の甲子園】

2024.07.02

福岡大会では福岡大大濠、大牟田がコールド発進、進学校・福岡は3日がかりの勝利【2024夏の甲子園】

2024.06.28

元高校球児が動作解析アプリ「ForceSense」をリリース! 自分とプロ選手との比較も可能に!「データの”可視化”だけでなく”活用”を」

2024.06.28

最下位、優勝、チーム崩壊……波乱万丈のプロ野球人生を送った阪神V戦士「野球指導者となって伝えたいこと」

2024.06.30

明徳義塾・馬淵監督が閉校する母校のために記念試合を企画! 明徳フルメンバーが参加「いつかは母校の指導をしてみたかった」

2024.06.26

【北北海道】北見支部では春全道4強の遠軽が登場、クラーク記念国際と好勝負演じた力見せる【2024夏の甲子園】

2024.06.27

高知・土佐高校に大型サイド右腕現る! 186cm酒井晶央が35年ぶりに名門を聖地へ導く!

2024.06.28

元高校球児が動作解析アプリ「ForceSense」をリリース! 自分とプロ選手との比較も可能に!「データの”可視化”だけでなく”活用”を」

2024.06.28

最下位、優勝、チーム崩壊……波乱万丈のプロ野球人生を送った阪神V戦士「野球指導者となって伝えたいこと」

2024.06.30

明徳義塾・馬淵監督が閉校する母校のために記念試合を企画! 明徳フルメンバーが参加「いつかは母校の指導をしてみたかった」

2024.06.23

プロ注目の大阪桐蔭・徳丸が大学生相手に決勝アーチ!直近3週間5本塁打と量産態勢!2年ぶり夏甲子園へ強打者の勢い止まらず!

2024.06.26

【北北海道】北見支部では春全道4強の遠軽が登場、クラーク記念国際と好勝負演じた力見せる【2024夏の甲子園】