試合レポート

佼成学園vs中大杉並

2014.04.06

猛攻呼んだ佼成学園・平井の二塁打

佼成学園vs中大杉並 | 高校野球ドットコム 

平井(佼成学園)

  天候の影響で1日延びた、杉並区の私立高校同士の対戦。1回戦で多摩聖ヶ丘に快勝した中大杉並に対し、佼成学園は今年になって初の公式戦。いかに強豪とはいえ、最初は硬さもあった。

 1回裏1番宮本惠太が右前安打で出塁しながら、2番庄司昴平の送りバントは投手へのフライになった。嫌な流れになりかけたところで、続く平井啓允は右翼手の頭を越える二塁打を打ち、佼成学園が先取点を挙げた。佼成学園の藤田直毅監督が、「硬さもあったけど、あれで流れが変わった」と語る一打だ。
この二塁打は、中大杉並には別の意味を持っていた。中大杉並の澤野雄治監督は、「初回3番打者に打たれてから、外野の守備位置が深くなった」と語る。それにより佼成学園のヒットゾーンが広がり、2回以降の猛攻を呼ぶことになる。

 2回裏に佼成学園小林佑太朗の二塁打と平井のレフト前の適時打などで3点を挙げた。さらに佼成学園は、コントロールに苦しむ中大杉並の先発・堀込喬司を攻め続け、3回には二死二塁から8番鈴木順平の中前安打で1点。

 続く市堰貫太も左前安打で続き、宮本と庄司に連続四球で押し出し。さらに遊撃手の失策や注目の強打者・北竜馬の二塁打などでこの回一挙6点を挙げ、4回にも1点を追加した。

 守っては先発した背番号10の鈴木が、2回に日高渉の二塁打などで1点を奪われたものの、サイドスロー気味のフォームから、カーブ、スライダー、スピリットなどを投げ分け、中大杉並打線を翻弄。3、4、5回を無安打に抑え、5回で奪三振6の好投をみせ、11-1の5回コールドで佼成学園が大勝した。

 佼成学園の次の相手は帝京。「監督になってから帝京とやるのは楽しみ」と藤田監督は意欲をみせた。この日は背番号10の鈴木を先発に起用したが、「同じような力の投手が4、5人いるので、勢いのあるのを使う」と藤田監督。投手起用を含めた監督の采配も、勝敗に影響を与えそうだ。

 一方の中大杉並は、ブロック予選を含めこの春4試合を戦った。「うちはバッティングのチームなので、もっと振り込んでいきたい。それに、もっと守備でリズムを作っていかないと」と澤野監督。50メートル四方のグラウンドを他の部と共用する環境の中で、外野の守備練習も思うようにできないが、夏に向けての成長を期して、満開の桜が咲き誇る[stadium]市営立川球場[/stadium]を後にした。

(文=大島裕史

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.07.01

21世紀枠でセンバツ出場経験のある豊橋工科が今年の公式戦初勝利!海陽学園は1年生右腕の力投実らず【24年夏・愛知大会】

2024.07.01

【夏の甲子園・関東地区好カード一覧】帝京と堀越、健大高崎と桐生第一が同ブロックに!東東京・群馬で大注目の序盤戦!

2024.07.01

とわの森三愛、立命館慶祥などが代表、出場16チームが出揃う【南北海道大会出場校一覧】

2024.07.02

春優勝の公立校・春日が登場、30日から順延のセンバツ出場・東海大福岡も初戦、3日の福岡大会【2024夏の甲子園】

2024.07.02

福岡大会では福岡大大濠、大牟田がコールド発進、進学校・福岡は3日がかりの勝利【2024夏の甲子園】

2024.06.28

元高校球児が動作解析アプリ「ForceSense」をリリース! 自分とプロ選手との比較も可能に!「データの”可視化”だけでなく”活用”を」

2024.06.28

最下位、優勝、チーム崩壊……波乱万丈のプロ野球人生を送った阪神V戦士「野球指導者となって伝えたいこと」

2024.06.30

明徳義塾・馬淵監督が閉校する母校のために記念試合を企画! 明徳フルメンバーが参加「いつかは母校の指導をしてみたかった」

2024.06.26

【北北海道】北見支部では春全道4強の遠軽が登場、クラーク記念国際と好勝負演じた力見せる【2024夏の甲子園】

2024.06.27

高知・土佐高校に大型サイド右腕現る! 186cm酒井晶央が35年ぶりに名門を聖地へ導く!

2024.06.28

元高校球児が動作解析アプリ「ForceSense」をリリース! 自分とプロ選手との比較も可能に!「データの”可視化”だけでなく”活用”を」

2024.06.28

最下位、優勝、チーム崩壊……波乱万丈のプロ野球人生を送った阪神V戦士「野球指導者となって伝えたいこと」

2024.06.30

明徳義塾・馬淵監督が閉校する母校のために記念試合を企画! 明徳フルメンバーが参加「いつかは母校の指導をしてみたかった」

2024.06.23

プロ注目の大阪桐蔭・徳丸が大学生相手に決勝アーチ!直近3週間5本塁打と量産態勢!2年ぶり夏甲子園へ強打者の勢い止まらず!

2024.06.26

【北北海道】北見支部では春全道4強の遠軽が登場、クラーク記念国際と好勝負演じた力見せる【2024夏の甲子園】