鹿児島水産vs加治木
終盤の粘り、芽生える・鹿児島水産
鹿児島水産が4点のビハインドをひっくり返して競り勝った。
4点を追いかける4回裏、二死満塁から4番・沖園恵太(2年)のセンター前タイムリーで2点を返し、反撃の口火を切る。
5回にスクイズで再び3点差とされたが、6回一死二三塁から2つの内野ゴロでしぶとく2点を加え1点差まで詰め寄ると、7回一死満塁から5番・長﨑大輔(3年)のレフト前タイムリーで同点に追いつき、押し出しで勝ち越した。
そして9回、二死二三塁と一打逆転のピンチだったが、エース沖園が踏ん張って無失点で切り抜けた。
中窪寿監督は「秋、春とベスト16どまりで、強豪を相手に終盤どう粘るかが課題だった。練習の成果が出せた」と喜んだ。
週末、紅白ゲームをした際には、3点ビハインドの状況を作ってどう逆転するかをテーマにしてみた。
「送りバントは使わない。打って勝つぞ!」
4回、反撃の口火を切った回に、中窪監督はそんな言葉で檄を飛ばした。
チャンスで上位打線だったこともあるが「冬場にずっと振り込んできて、打撃には自信を持っていた。やってきたことを信じて、あえてバントをさせなかった」(中窪監督)。
この回は、走塁ミスなどもあって2点どまりだったが、「つなぐ意識」(折田淳主将・3年)が芽生え、6、7回はしぶとくつないで試合をひっくり返した。
冬場には2時間連続ティー打撃の日があったり、練習の後の自主練でも素振りをするなど、「打撃」に関しては相当な量をこなした自負が、この日の勝利で「自信」に変わりつつある。
折田主将は「次の鹿児島情報戦も勝ってベスト16入りし、今までいけなかったベスト8をまずは目指したい」と張り切っていた。
(文=政 純一郎)