試合レポート

鳴門渦潮vs那賀

2014.07.16

名将ラストサマーに燃える鳴門渦潮、緒戦圧勝発進!

 鳴門工赴任以来、38年間(うちコーチ3年間)で2002年センバツ準優勝をはじめ、春4回・夏5回の甲子園出場で通算12勝9敗の好成績を残し、里崎 智也(千葉ロッテ捕手)、渡辺 亮(阪神投手)、谷 哲也(中日内野手)など、一線級のNPB選手も輩出している鳴門渦潮・高橋 広監督。かねてから「今年度が鳴門渦潮での最後の采配」と表明している名将にとって、徳島那賀との緒戦はラストサマーのはじまりとなった。

 初回の守り、選手たちの固さはそのせいもあったのかもしれない。
最速142キロ左腕・松田 知希(3年・投手・左投左打・174センチ74キロ・徳島ホークス<ヤング>出身)は3ボール1ストライクから徳島那賀1番・川尻 優太(2年・遊撃手・右投右打・165センチ60キロ・那賀町立相生中出身)に右前に運ばれ、高校通算16本塁亜の強打に加え、二塁送球1.79秒の鉄砲肩をこの日もマークしたNPBドラフト注目選手・多田 大輔(3年・捕手・右投右打・189センチ92キロ・徳島市立応神中出身)は一死からギャンブル盗塁に出た川尻を刺せず。二死三塁のピンチを背負うこととなる。

 ただ、ここからの彼らは落ち着いて試合を運んだ。
松田・多田大のバッテリーは昨秋・板野に県大会2回戦敗退した要因ともなった三振を取りに行く配球は控え、徳島那賀4番を三塁ゴロに打ち取ると、その裏打線は3安打に3四死球を絡め一挙5得点。
その後も4回には1番・兼板 優貴(3年・中堅手・右投右打・172センチ72キロ・徳島市立国府中出身)が今大会第1号となる左中間ランニング3ランを放つなど、14安打で14得点と効率のよい攻めで徳島那賀を圧倒する。

 かくして、春季四国大会準優勝で第3シードを獲得した好循環を維持したまま夏の緒戦を飾った鳴門渦潮
3年前、美間 優槻(現:広島内野手)をエースに鳴門第一鳴門工業との併合初年度にあと一歩まで迫った甲子園を目指し、名将と選手たちは一丸となって、この先も闘っていく。

(文=寺下友徳

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.06.24

愛媛の組み合わせ決定!今春優勝の松山商・大西主将は「どのチームと闘っても自信をもってベストなゲームをしたい」シード4校主将が意気込み語る!

2024.06.24

秋田の組み合わせ決まる!明桜が初戦からいきなり金足農と対戦、初戦から秋春の王者対決【2024夏の甲子園】

2024.06.24

昨夏甲子園出場の文星芸大附の卒業生進路紹介!主力は上武大、国士舘大、東京農業大へ進学!

2024.06.24

夏の滋賀を盛り上げる23人の逸材を紹介!近畿屈指の大型遊撃手・岩井(滋賀学園)、名門・近江の大エース西山など投打に人材揃い

2024.06.24

【北北海道】北見支部では北見工が33得点の圧勝でコールド発進【2024夏の甲子園】

2024.06.24

愛媛の組み合わせ決定!今春優勝の松山商・大西主将は「どのチームと闘っても自信をもってベストなゲームをしたい」シード4校主将が意気込み語る!

2024.06.21

なぜ高校野球の新たなリーグ戦は拡大し続けているのか?『チームのために個人がいる』ではなく『個人の成長のためにチームがある』~野球指導者・阪長友仁のビジョン後編~【『新しい高校野球のかたち』を考えるvol.7】

2024.06.23

プロ注目の大阪桐蔭・徳丸が大学生相手に決勝アーチ!直近3週間5本塁打と量産態勢!2年ぶり夏甲子園へ強打者の勢い止まらず!

2024.06.23

大阪桐蔭が名門・日体大に1勝1分け! スター選手たちが快投・豪快弾・猛打賞! スーパー1年生もスタメン出場 【交流試合】

2024.06.19

夏の兵庫大会のヒーロー候補21人!報徳学園・今朝丸、神戸弘陵・村上の「151キロ右腕二人」が筆頭格!投打にタレント揃いの東洋大姫路にも注目

2024.05.31

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在34地区が決定、佐賀では佐賀北、唐津商、有田工、龍谷がシードに

2024.06.24

愛媛の組み合わせ決定!今春優勝の松山商・大西主将は「どのチームと闘っても自信をもってベストなゲームをしたい」シード4校主将が意気込み語る!

2024.06.11

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在41地区が決定、長崎、高知、新潟、大分などでシードが決まる〈6月10日〉

2024.06.21

なぜ高校野球の新たなリーグ戦は拡大し続けているのか?『チームのために個人がいる』ではなく『個人の成長のためにチームがある』~野球指導者・阪長友仁のビジョン後編~【『新しい高校野球のかたち』を考えるvol.7】

2024.06.14

【福岡】九州国際大付は小倉商、東海大福岡は小倉南、春日は大川樟風、福岡大大濠は輝翔館と対戦【2024夏の甲子園】