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800名以上が集結した「エルゴメーター近畿大会」 エンジョイ!冬のトレーニング!

2015.01.21


注目度の高いエリートレース

第27回全国マシンローイング大会近畿ブロック開催!

 エルゴメーターを使って2000mのタイムを競う、第27回全国マシンローイング大会近畿ブロックが1月18日、滋賀県立体育館にて行われた。

 ヨーロッパ諸国ではホテルにエルゴメーターがフィットネス用に置いてあるほど盛んだが、日本ではまだマイナー競技に位置づけられている。しかしその分、大学から始めて3年で日本代表になった人もいるなど可能性に満ちた競技でもある。この日は近畿トップレベルの選手が集まり、参加者は軽く800人以上。最大56人が同時にエルゴメーターを漕ぐレースは朝9時に中学生の部からスタートし、高校、大学、一般、センバツメンバーのみによるエリートレースと各カテゴリーで熱戦を繰り広げた。

 大津のゆるキャラ・おおつ光ルくんと和歌山のゆるキャラ・きいちゃんもレースに参加し会場を盛り上げたが、中でも注目を集めたのはオランダから招待選手として参加した北京、ロンドンオリンピックの代表選手だったMeindert Klemさんと若手のホープ・Jasper Tissenさんの2人。共に2m近い長身と引き締まった体の持ち主でサインや写真撮影にも気軽に応じていたが、レースでは日本人選手を全く寄せ付けず。エリートレース一般男子の部で優勝したJasper Tissenさんの記録は6分3秒。Meindert Klemさんが6分12秒で続いた。

 高校球児がエルゴメーターで500mのタイムを計測した場合、甲子園出場クラスのチームのレギュラーなら1分30秒前後となることが多い。つまり、世界トップレベルの選手は甲子園球児が全力で漕ぐペースを4倍の距離は維持出来るということだ。

 レース後、日本の高校野球でもトレーニングの一環としてエルゴメーターが取り入れられていることを知った優勝したJasper Tissenさんと、Meindert Klemさんは、
「野球には違う技術が必要だけどボートでのトレーニングはいいと思う。違うスポーツでトレーニングすることで、自分の体の特徴に気づくことも出来る。野球スキルの前にそのベースとなる体を鍛えるのはいいことですね」と話した。

 競技は違えど常にトップを目指すアスリートという点では同じ。どんな意識で練習しているかを尋ねると
「とにかく練習をエンジョイすることだよ。ボートを楽しめるならハードな練習も出来る。そうすれば強くなれるはずだ」と答えてくれた。
そして、高校球児へのメッセージでも再び「エンジョイ」というワードを繰り返した。「まず何よりも楽しむことだよ。そして写真や動画を使ってなりたい姿のイメージを膨らませること」だと笑顔をみせた。

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[page_break:単調な練習こそエンジョイ!]

表彰式の様子

 日本では幼少期を除けばスポーツは「娯楽」よりも「修行」の要素が強い。

 実際、エリートレース高校生男子の部で優勝した石橋 圭二郎君(清風高校)は、単調になりがちな普段の練習について「しんどいとこで踏ん張れる精神力。そこからが勝負。そこでどれだけやれるか」が大事だと話してくれた。もちろん成人男性と高校生、オリンピックレベルと近畿トップレベルという差はあるにしても、おそらく普段行っている練習にそれほど大きな違いはない。

 他の参加者に聞いても練習内容は、
「ロング走で16kmやったり、1万メートルを低レート(ゆっくり大きく)で漕いだり。後はウエイトですね」(木下 弥桜さん・和歌山北高校)

「ランニングやウエイトもしますけど、30分で何メートル漕げたか計測してます」(坂中 亜利奈さん・宮津高校)

 と、時期やチームによって多少の差はあるが、インターバルやサーキットトレーニングはどこも共通して行っていた。エルゴメーターもそうだが野球部のオフシーズンの練習も、単調なメニューが続く。だが、世界のトップアスリートは「単調な練習こそエンジョイ」の精神を常に持っている。日本人は欧米諸国の選手に敵わないと体格の差に結論を求めがちだが、気持ちの面でも差がついているのかもしれない。

【エルゴメーターの正しい使い方セミナー】を希望するチームは、株式会社スターラインジャパンまでお気軽に、お問い合わせください。

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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