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11年ぶり選抜出場の二松学舎大附に潜入!市原監督が甲子園への思いを語る

2015.02.17


 高校野球ドットコムは、11年ぶりの選抜出場を決めた二松学舎大付に潜入!大江竜聖投手と今村大輝捕手の対談インタビューの公開前に、今回は特別に「潜入レポート」をお届けします!

 この冬、どんな思いで過ごしてきたのか。また現在は、どのような調整を送っているのかについて市原監督に伺いました!

昨年の無念な思いがあったから、今年選ばれた喜びはひとしおの二松学舎大附

北本一樹主将(二松学舎大附)

「準々決勝まではどんな形でもいいから残れば、そこからは何とかなる」(市原監督)

「下級生も多いけれども、強いチームにするためにどうまとめるのかが自分の役割」(北本主将)

 昨夏に悲願の甲子園出場を果たした二松学舎。チームとしても初めての2季連続出場を目指してのチーム作り。そんな中で、11年ぶりの春のセンバツ出場を果たせた。秋季大会を戦いながらのチーム作りと、その成長を市原 勝人監督に聞いた。

 初めての夏の甲子園を経験した一方で、新チーム作りが遅れたのも事実だった。それでも、旧チームには甲子園でも話題になった1年生バッテリー含め、下級生が多く残っていたこともあってチームの骨は出来ていた。ただ、チームとしての整備そのものは試合で試しながら…、というのが本音だった。

 それだけに、市原監督は秋季大会では、「準々決勝まではどんな形でもいいから勝ち残ろう。そうすれば、そこからは何とかなる」という意識を選手たちにも植え付けながら戦った。

 そして、その言葉通り3回戦では早大学院と延長15回を戦い1対0でサヨナラ勝ち。「今思えば、あの試合が今回のセンバツを導いたと言っても過言ではないくらいです」と、市原監督も振り返る、苦しい戦いも経験した。

 結果としては、前年と同じ秋季東京大会準優勝となり、(選ばれるのかどうかわからない)はっきりしない状態のまま冬を迎えることになった。しかし、市原監督はそのオフの期間に選手の意識を高めた。
「この秋はスタンドも含めて皆で戦って勝ち得た準優勝だったのだから、もし、センバツに選んでもらえたら、皆に出場の権利がある。メンバーだって、秋の大会はあくまでその時のもの。だから、全員に権利があるということだ」

 こうして、冬のトレーニングのモチベーションも上げていった。

第87回選抜高校野球 特設ページ
2015年度 春季高校野球大会 特設ページ

市原勝人監督(二松学舎大附)

 そんな中から、秋季大会ではベンチにも入っていなかった新2年生の平野 智也君が著しく台頭。「意識も高いし、大きく成長した一人」と、市原監督も評価している。

「誰かが(新メンバーに)入ると、誰かが落ちることになります。だから、そこには説得力がなくてはいけません。それだけの選手だということでなくてはいけないのです」
と言い切る。逆に言えば、新たに評価されてベンチに入れるということは、それだけ周囲も納得させるだけの努力をしているということでもある。

 夏からのメンバーも含め、結果的には下級生が多い構成となっている。それをまとめる役として主将となったのが、旧チームでは二番打者として活躍していた北本 一樹君だ。その北本君は、新2年生が主体となっている今のチーム構成に対して、自信を持って言う。
「今、下級生で試合に出ている連中は考え方としても大人ですし、しっかりしています。自分の役割としては、下級生が多くても強いチームにするためにどうまとめるのかということが仕事です」

 秋季大会では準優勝という結果を経て、さらには冬のトレーニングを過ごしてセンバツ出場の朗報を得た。「去年秋の決勝で負けた時点で、目標は夏に切り替えていましたから、選ばれた時はむちゃくちゃ嬉しかったです」と、センバツ代表に選出されたことを素直に喜んだ。

 ただ、その一方で、秋から冬を経て、春へ向けて意識はどこまでまとめられたのかということに関しては、「完全ではないですけれども、自分の中では、かなり出来てきていると思っています」と、自信を持って答えている。

 市原監督も、「1年生が多いということで、ちょっと頼りないな…、というところもあったのですけれども、冬を越して逞しさも出てきました」と、全体の成長も評価している。「高校野球は、本当に期間が短いです。その中で1年の冬から2年の春にかけてという時期が一番成長します。そういう点からも、楽しみですね」と、手ごたえを感じているのだ。

 市原監督自身としては、過去2度導いたセンバツ甲子園(2002年2004年)はいずれも大阪勢に初戦敗退。だから、昨夏の経験もエネルギーと自信にしながら、この春の甲子園に賭ける思いは強い。
「夏のチームのイメージが強すぎるところもあるかもしれませんが、チームとしてはいいムードです。連中の伸びシロは、まだまだあると感じています」

 力強い答えで締めくくった。

(文・手束 仁

 さらに2月下旬には大江竜聖投手と今村大輝捕手の対談インタビューも公開予定!昨夏の甲子園ではとても1年生とは思えない強心臓ぶりで話題になったバッテリーの素顔に迫りました!こちらもお楽しみに!

■高校データ:二松学舎大附

下記のコラムも合わせてチェック!
二松学舎大学附属高等学校(2011年09月12日公開)

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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