利府vs東北学院
利府が東北学院に逆転勝ち
8回1失点完投勝利の利府のエース・木村 俊仁
7回に一挙5点を奪った利府が東北学院を下し、初戦を突破した。
1点を追う3回、利府は一死二塁で3番・鈴掛 大地がセンターにヒットを放った。二走・小池 麗士がホームを狙ったが、タッチアウト。しかし、二死二塁とし、4番・北條 喜大がレフトへ打ち返す。二走・鈴掛は悠々、同点のホームを踏んだ。
さらに5回、2番・林田 竜馬が失策で出塁。3、4番が外野フライに打ち取られたが、5番・伊藤 理久のライトオーバーの二塁打で勝ち越した。
7回には3番・鈴掛のライトオーバーの二塁打を口火に5点を奪った。鈴掛の二塁打の後、4番・北條はライトフライを打ったが、大きな当たりだった。
「鈴掛が打つと、チームに『よっしゃ、いこうか』という感じがあると思う。北條のライトフライも、相手投手にとっては嫌だったのでは?」と田野誠監督。
一死二塁から5番・伊藤が四球を選び、6番・石垣 恭和が死球を受けて満塁とした。7番・斎藤 渉も死球を受けて1点を追加。8番・木村 俊仁が打席に入る前に東北学院は後藤 大煕から西條 愁太に投手交代した。
利府は代わりばなで初球スクイズを仕掛け、相手の失策をさそってさらに1点を加えた。9番・高橋 青空はレフトに2点タイムリーを放ち、突き放した。
利府は2009年のセンバツ大会に21世紀枠で出場し、4強入りした。この時の小原 仁史監督は2014年3月に黒川へ移動。穀田 長彦部長が監督になり、黒川で監督をしていた田野先生が部長に。指導者が入れ替わった年だったが、夏の甲子園初出場を果たし、初戦も突破した。今夏も宮城大会4回戦敗退後、田野部長が監督となり、新体制で秋を迎えた。田野監督は志津川、名取北、黒川で監督を歴任。名取北時代の教え子には西武・岸 孝之(インタビュー)がいる。
「今はテスト期間中でコンディショニングが難しかった。その上、雨も多かった。選手たちはよくやってくれたと思います」と田野監督。前チームを経験しているのはわずか2人で、公式戦経験が乏しく、「このユニホームを着ていても、ほぼ初心者」
秋から采配を振るう新指揮官と1試合を積み重ねて経験を積む選手たちは、〈RIFU〉の伝統を受け継ぎながら、新たなチームを作っていく。
(文・高橋 昌江)