中村剛也選手(埼玉西武ライオンズ)、本塁打と打点の 2 冠王に!中村流 「打撃論」とは?
埼玉西武ライオンズ中村選手が本塁打と打点の 2 冠王に!チームのためのバッティングで得点圏打率.310、自己最高の 124 打点を記録!
2年連続本塁打王を獲得した埼玉西武ライオンズの中村 剛也選手。シーズン前に「開幕一軍」が目標と語った中村選手。一年を通してケガなくシーズンを送ることができれば、結果はついてくると語った通り、139試合に出場。自身過去最高となる124打点で打点王にも輝くなど、4番としての期待に応えるシーズンを送った。
■6度目の本塁打王に輝く!
6度目の本塁打王獲得は、プロ野球史上歴代3位の記録になる。1位は「世界の王」こと王 貞治氏で15 回、2位が野村 克也氏の9回。両氏の引退がともに1980年であることから、中村選手はこの30年間でもプロ野球を代表するホームランバッターといえる。
打つポイントは、「下半身から力を出し始めて、その力を上半身に伝え、それをバットに伝えることがポイント」と語る中村選手。
「下半身全部に溜めた力を効率よく、ロスなく伝えるという意識でいます。今でも完全につかめているわけではないのですが、2008年の途中からちょっとずつできるようになってきました」
入団後の5年間は、まだ僅か40本塁打だった。大阪桐蔭時代はグリップの位置が高く、バットのヘッドを投手の方向に入れ、下半身は振り子スタイルで打つなど、無駄な動作が多かった。しかし、プロ入りして、その無駄の多さがプロの投手の対応に苦しむことになり、少しずつ無駄を省くよう取り組んでいた。そして迎えた6年目、当時の大久保 博元打撃コーチのアドバイスは、「ミートポイントを前にすること」。そのアドバイスにより打つポイントを掴んだ中村選手は46本塁打で優勝に貢献し、巨人と対戦した日本シリーズでも3本塁打と活躍した。そして今でも打撃フォームのこだわりは強く、グリップの位置を工夫したり、繊細な感覚で打撃を磨き続け、今もホームランアーチストとして活躍する中村選手。理想は「ホームランの打ち損ないがホームラン」だと語る。
今シーズンは外野フライと思った当たりが、そのままスタンドに入ることがあったという。完璧なホームランを目指せばその確率が高まる。これは常にホームランを打つことを追求してきた中村選手だからこそ到達した状態ともいえる。
■「チームのためにプレーをしたい」
そんな中村選手は2013年のシーズンオフ、4年契約を埼玉西武ライオンズと結んでいる。
記者会見では、「誰もが認めるような日本で最強の打者になりたい」と発言した。その後の2シーズンは、ともに本塁打王を獲得。しかし、ホームランだけではないところが、ピッチャーから怖がられる4番バッターたる所以だ。今シーズンは得点圏打率が昨年の.280から.310にアップし、自己最高の124打点を記録した。「やっぱりチームのためにプレーしてますし、優勝が目標なので」と淡々と語る中村選手。
300本塁打、1000本安打、史上最多となる満塁本塁打16本目など、大記録が続いた今シーズン。ただ、その中で一つ印象的な試合を挙げるとすれば、7月14日の楽天戦である。10回裏、秋山 翔吾選手(独占インタビュー)が連続試合安打記録を自ら止めることになったフォアボールを選んだ後、サヨナラホームランを打った中村選手のすごさだ。フォア・ザ・チームの精神で後に託した秋山選手の気持ちをチームの主砲がきっちりと形に残した。試合後のヒーローインタビューでは、「秋山がね、記録がかかってるのにしっかりボールを選んでフォアボールをとってくれたんで、なんとかしたいなという気持ちは強かったですね」と話したが、ここぞというところで頼りになるというのは、流石はライオンズの4番バッターだ。
日米通算となる松井 秀喜氏を含め、日本ではまだ8名しかいない500本塁打プレイヤー。今最も500本塁打に近い選手ともいわれる中村 剛也選手は、今シーズンを終えて通算309本塁打。日本球界最高のホームランバッターは、11月8日から日本と台湾で共同開催される プレミア12を戦うサムライJAPANのメンバーに選出された。メンバー発表の記者会見で主軸を担って欲しいという小久保 裕紀監督の言葉もあったが、中村選手はやはりいつもの飄々とした雰囲気で臨むのだろう。日本のホームランアーチストが世界を相手に戦いを挑む姿が、今から楽しみだ。
■中村剛也選手 プロフィール
1983年8月15日生まれ。大阪府出身。
身長175cm、体重102kg。右投右打。内野手。
2002 年に大阪桐蔭高校から西武ライオンズ(現埼玉西武ライオンズ)に入団。スタンドに美しいアーチを描く右の長距離砲。昨シーズンはケガに悩まされながらも、本塁打王を獲得。今シーズンは37本塁打で2年連続6度目の本塁打王に。また自己最多の124 打点を挙げ、3度目の打点王に。本塁打、打点と2冠を獲得し、主砲としての役割を果たした。
■ 独占インタビュー
埼玉西武ライオンズ 中村 剛也選手