Column

「伊丹野球部の飛躍の力になるべく、目指すはノックが打てるマネージャー!」 県立伊丹高等学校

2016.07.14


 県立伊丹は1948年、それまであった兵庫県立伊丹中学校と兵庫県立伊丹高等女学校を統合し、共学の新制高校として発足しました。旧制中学時代から数えると創立100年以上の歴史を持つ高校です。野球部も創部100年以上の歴史を持ち、第1回大会から出場を続けるなど、活躍してきました。

 県立伊丹野球部は、昨年の夏の大会から、秋季大会春季大会まで、兵庫ベスト16の成績を残しています。一方、ベスト8が県立伊丹野球部にとっては届きそうで届かないものとなっているようです。更なる好成績を残すべく、そして、前のチームの成績以上の結果を残すべく、15日に初戦を迎える夏の大会に向け、練習を積み重ねてきました。そんな55名の選手と共に活動するのは、11名のマネージャーの方々です。選手にも負けず、たくさんのマネージャーが在籍する、県立伊丹野球部のマネージャーの方にお話を伺ってみました。

私たちマネージャーがノックを打ち、更なるレベルアップに繋げたい!

県立伊丹高等学校の頑張るマネージャー

 県立伊丹野球部の55人の選手を支えるのは、11人のマネージャーの方々。3年生の石原 美紀さん、伊藤 真由さん、今村 梨沙さん。2年生の岩田 明音さん、小寺 涼香さん、野﨑 加奈さん。1年生の菊池 未来さん、栗栖 萌々子さん、中牧 栞奈さん、畠中 若菜さん、藤原 美優さん。

「いつか、私たちマネージャーがノックを打てるようになることを目指し、ノックの練習をしています」と教えてくれた県立伊丹野球部マネージャーの方々。自分たちも率先して野球部の練習に加わり、陰で支える存在だけでなく、チームのレベルアップのために力を注いでいることが伺えます。そんな目標を掲げ、マネージャーの方々はマシーンのボール入れ、ノックのボール渡し、おにぎり作り、お茶出し、試合中のスコア記録などに日々取り組んでいます。

 活動の中で、特に楽しい時間を尋ねると、「自分も選手たちと一緒になって野球ができていると感じられるので、練習試合の前、シートノックのボール渡しをしている時が一番楽しいです」と答えてくれました。

 積極的な姿勢と楽しむ姿勢を持つ11名のマネージャーの方は、選手からの何気ない“ありがとう”の一言をやりがいに、「練習がスムーズに進むようにサポートし、選手が野球のことだけを考えることができるような練習環境を作ること」を心掛け、選手をサポートしています。

「野球部っぽい人を見かけると、ついカバンに付いているお守りをチェックしてしまう」という県立伊丹野球部マネージャー。マネージャーの皆さんは、こんなあるあるありますか?

 そんなマネージャーの方々が特に思い出に残っている試合は、秋季県大会2回戦での東播磨との試合。「6回表からの逆転劇は本当に鳥肌ものでした。あの瞬間は一生忘れられません」と語ってくれました。そして諦めない姿勢で前向きに取り組む、そんな県立伊丹野球部の選手に向けて、マネージャーの方からは「限界突破!」という力強い一言をいただきました!

⇒次のページ:嬉しかったことは、◯◯をしていること

[page_break:嬉しかったことは、◯◯をしていること]

嬉しかったことは、◯◯をしていること

 そして、ここからは3年生の石原 美紀さんに更にお話を伺いました!

「気配り、心配りができて、そしてどんな時でも笑顔で、選手を勝利に導ける誰からも愛されるマネージャー」を目指す石原さん。

 そんな彼女がマネージャーになったきっかけとは、、、?
「小さい時から野球を観戦するのが好きで、毎年夏休みは、1日中テレビの前で高校野球を見ていました。そして、テレビで野球部のマネージャーが特集されているのを見て、憧れを抱くようになり、人生で1度の高校時代を、高校野球に捧げたいと思ったことがきっかけです!」と教えてくれました。

県立伊丹高等学校の頑張るマネージャー

 それから、「これまでのマネージャー活動を通じて、 グラウンドで練習している時は、いつ、何があるかわからないので、視野を広く持ち、周りを見ることができるようになりました」と、自分自身の成長にも繋がったと言います。

 視野を広く持つことができるようになったという石原さんに、マネージャー活動の中で嬉しかったことを聞いてみたところ、
このチームのマネージャーをしていることです!」との答えが。多くのチームがある中で県立伊丹野球部でマネージャー活動が出来ていること自体が、石原さんにとっては何よりも嬉しいようです。誰からも愛されるマネージャーになりたいという石原さんもまた、県立伊丹野球部を愛していることが伺えます。

「先日行われた壮行会で、3年生の選手が、公式戦用の帽子をプレゼントしてくれました。今までマネージャーは練習用のセカンド帽しか持っていなかったので、サプライズで渡された時は嬉しすぎて言葉が出ませんでした。プレゼントされた帽子のつばの部分には一人一人のメッセージが書かれていて、それもすごく嬉しかったです。世界に一つだけの私の宝物となりました」と、嬉しい思い出を教えてくれた石原さん。

 愛されるマネージャーになりたいという石原さんを筆頭に、選手の活動にも積極的に加わり、チームのレベルアップに繋がることを探し取り組む、11名のマネージャーの方々。そんな愛されるマネージャーを目指し、そんなマネージャーを大切にしている県立伊丹野球部。選手に贈るメッセージにもあったように、「限界突破」でベスト8の壁を乗り越え、世界でたった一つの宝物である帽子をたくさん被ることができる夏にしてください!

このページのトップへ

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.07.04

「学校と地域に支えられて戦う」県内有数の進学校・磐田南(静岡)、“潔く”戦って最高の夏に【野球部訪問】

2024.07.04

「速さが怖かった」 センバツ4強から学んだ走塁で市立柏が千葉の上位を狙う

2024.07.04

5日に北北海道大会の抽選会!クラーク記念国際と別海が軸、接戦を勝ち抜いたチームにも勢い

2024.07.04

5日に新潟大会が開幕!帝京長岡と日本文理の対戦相手が決まる【2024夏の甲子園】

2024.07.04

5日に富山抽選会!昨年秋覇者・高岡商か、今年春の覇者・富山商か、ノーシード新湊の組み合わせにも注目<夏の甲子園県大会>

2024.06.30

明徳義塾・馬淵監督が閉校する母校のために記念試合を企画! 明徳フルメンバーが参加「いつかは母校の指導をしてみたかった」

2024.06.30

突然の病で右半身が麻痺した「天才野球少年」が迎える最後の夏 あきらめなかった甲子園出場の夢、「代打の一打席でもいいから……」

2024.06.29

北海は道内29連勝なるか、東海大札幌VS札幌日大の強豪対決も、30日に札幌支部で代表決定戦【2024夏の甲子園】

2024.06.29

激戦区・愛知が開幕!ノーシードから4連覇狙う愛工大名電が17得点の圧勝発進、大府、愛知産大三河も初戦を突破【2024夏の甲子園】

2024.06.29

昨秋3位の豊橋中央が登場、享栄破った実力見せる!30日愛知大会【2024夏の甲子園】

2024.06.28

元高校球児が動作解析アプリ「ForceSense」をリリース! 自分とプロ選手との比較も可能に!「データの”可視化”だけでなく”活用”を」

2024.06.30

明徳義塾・馬淵監督が閉校する母校のために記念試合を企画! 明徳フルメンバーが参加「いつかは母校の指導をしてみたかった」

2024.06.28

最下位、優勝、チーム崩壊……波乱万丈のプロ野球人生を送った阪神V戦士「野球指導者となって伝えたいこと」

2024.06.23

プロ注目の大阪桐蔭・徳丸が大学生相手に決勝アーチ!直近3週間5本塁打と量産態勢!2年ぶり夏甲子園へ強打者の勢い止まらず!

2024.06.24

愛媛の組み合わせ決定!今春優勝の松山商・大西主将は「どのチームと闘っても自信をもってベストなゲームをしたい」シード4校主将が意気込み語る!