Column

野球部を支える大切な存在・マネージャーたちの夏の物語

2016.07.29

 いよいよ甲子園出場校も決まりはじめ、地区予選も終盤となってきた。この夏、熱い思いを持って試合に臨んだのは、高校球児だけではない。マネージャーたちもチームの戦力として、選手たちを懸命にサポートしてきた。甲子園に届かなくても、一人ひとりにそれぞれの高校野球の記憶がある。この夏の頑張るマネージャーを紹介!

明るく元気に選手をサポート!阪南大高のマネージャー

■姉妹マネージャー対決

 千葉大会では、別々の高校に進学した姉妹マネージャーが2回戦で対戦する奇跡の対戦があった。長生3年の姉・佐藤 茜さんと幕張総合1年の妹・佐藤 葵さん。姉の姿に憧れてマネージャーになることを決意。姉にスコアを教わるなどして、ライバルでありながら、姉妹の絆で夏の大会へ準備を進めてきた。そして、迎えた夏の大会では、長生は初戦を突破し、2回戦へ進出。そして、その2回戦にて、長生幕張総合の対戦が実現した。最初で最後の姉妹が同時に挑む夏に、夢のような対戦だった。しかし、夢のような対戦にも勝敗はつきものだ。3回戦に進出したのは、妹の幕張総合だったが、姉の茜さんにとっても、素敵な高校野球の思い出となった。

■念願の初代女子マネージャーに!

 至学館野球部で初のマネージャーとなった田村 真央さんと冨田 愛奈さん。最初は、既に男子マネージャーがいたことから、監督から断られ続けたものの、2人の思いは強く熱いものだった。何度も何度も監督に志願し、熱い思いをぶつけてきた。その熱い気持ちが監督にも届いたのか、ようやく至学館史上初の女子マネージャーの願いが叶った。そして、マネージャーとして迎えた最後の夏。ブロック予選2回戦で愛工大名電に2対9で敗れた。甲子園には届かなかったが、至学館のマネージャーになってよかったと笑顔を見せた。

■以前立っていたグラウンドでの別の景色から仲間を支える

 自分から進んでマネージャーになりたいと志願してマネージャーになる部員がいる中で、大好きな野球を続けるためには、どうしたらいいのか探し、チームを勝利に導く男子マネージャーたちがいる。大好きな野球を辞めるのではなく、今の自分が出来ることをグラウンドでサポートする。

 伊香赤沢 涼輔さんは元々は選手だったが、今は選手を支えるマネージャーとして活躍している。そして、東京都市大塩尻中谷 将太郎さんも同じくマネージャーとしてグラウンドに立っている。野球少年だった2人は、体調面で野球を続けることが難しくなった。今までグラウンドで、グラブをつけ、バットを振り、ボールを追いかけることが当たり前だった。しかし、そんなことができなくなって、野球という道から外れようと思っていた時、支えになったのは、そばにいる仲間や監督の一声だった。そして、マネージャーとしての道を歩むことを決意し、マネージャーというポジションを「自分に与えられた特別な場所」と捉え、選手に負けないくらいの声を出し、選手の飛躍の道を切り開いている。

 様々な強い思いを抱きマネージャーの道を歩み、試合中は選手と同様、チームの勝ちを最後まで諦めないマネージャーの存在、そして野球に対する熱い思いを持つマネージャーは全国各地にいる。今後も、頑張るマネージャーを紹介していきたい!

【頑張る!マネージャー】
都立江戸川(東京都)

「うちの野球部のマネージャーは選手同然の存在」

西邑楽(群馬)

「誰一人欠けてはいけない必要不可欠な存在」

津田沼(千葉)

「マネージャー生活は、嬉しいことが連続の毎日!」

藤井(香川)

「困っている人がいたら私がすぐに気付けるように」

観音寺中央(香川)

「私たちのやりがいは選手の笑顔を見ること!」

▼観音寺第一(香川)

「うちが作るおにぎりの種類はどこの高校よりも豊富です!」

松山(愛媛)

「私たちに、できないことはない!その気持ちで」

県立伊丹(兵庫)

「伊丹野球部の飛躍の力になるべく、目指すはノックが打てるマネージャー!」

新居浜東(愛媛)

「野球がもっと好きになったし、根気強くなった」

阪南大高(大阪)
「選手の見えないところでも野球に集中できる環境を作るのが私たち」

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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