試合レポート

花咲徳栄vs浦和学院

2017.07.27

花咲徳栄が3連覇!春の関東王者・浦和学院倒して栄冠!

 7月27日、埼玉大会の決勝戦が行われ、3年連続の優勝を目指す花咲徳栄と、秋・春と埼玉を制し、春の関東王者として3季連続の埼玉制覇を狙う浦和学院の対戦となった。

 このチームになってからの両者の対戦は3度目だった。一度目は昨秋の埼玉県大会決勝、この時は浦和学院が4-3でサヨナラ勝ち。二度目は今春の県大会決勝、その試合でも7-6と浦和学院が延長戦をサヨナラで制して2連勝。勢いそのままに関東大会優勝まで駆け上がった。そして3度目の対戦となった今日、浦和学院が3連勝で甲子園行きを決めるのか、それとも花咲徳栄が3度目の正直で夏3連覇を飾るのか。試合は思わぬ展開となった。

 序盤戦は浦和学院渡邉 勇太朗(2年)、花咲徳栄綱脇 慧(3年)が走者を出しながらもあと一本を許さず、投手戦となった。4回まで両チーム無得点で迎えた5回、花咲徳栄の攻撃で試合が動く。

 先頭の太刀岡 蓮(3年)が空振り三振を喫するも、振り逃げで塁に出ると、続く千丸 剛(3年)が二塁打でチャンスを広げる。さらに四球と三振で一死満塁とすると、5番・須永 光(3年)は押し出し四球を選び、花咲徳栄が先制点を奪う。次打者の途中で浦和学院は好投手・佐野 涼弥(2年)を投入するも悪い流れを断ち切れず、2連続押し出しと内野ゴロで、この回適時打なしで4点が入ってしまう。花咲徳栄は6回にも佐野の暴投で1点を奪い、リードを5点とする。

 追い上げたい浦和学院は6回裏、二死から7番・山本 晃大(3年)が安打で出塁すると、ここで打席に立った佐野が右翼席場外へと消える特大の2ランホームランを放ち、2点を返す。7回以降は佐野が調子を取り戻し、花咲徳栄打線に追加点を許さない。

 そんな浦和学院の追い上げムードをものともせず、好リリーフを見せたのは花咲徳栄のエースナンバーを背負う清水 達也(3年)だ。好投の綱脇のあとを受けて7回からマウンドに立つと、いきなりの三者三振の快投。さらに8回、9回と一人の走者も許さないパーフェクトリリーフで試合を締めくくった。

 敗れた浦和学院は5回の失点が最後まで響く形となった。夏の大会の独特な雰囲気に飲まれてしまったのか、本来の投球とは言えない結果だった。先発の渡邉 勇太朗(2年)も4回までは好投したが、5回の投球は悔しいものとなってしまった。

 勝って甲子園行きを決めた花咲徳栄は相手のミスを見逃さない集中力と、投手陣の踏ん張りが見事だった。綱脇が6回まで試合を作り、清水がプレッシャーのかかる終盤を完全に締めるリレーは優勝に相応しい投球だった。

 昨夏は絶対的エース・高橋 昂也を擁し3回戦まで進出したものの、優勝した作新学院に敗れた花咲徳栄。今夏は昨年を越える結果を残したい。

(文=林 龍也

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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