兵庫最強捕手・猪田和希(神戸国際大附)の甲子園行きが決定!甲子園の借りは甲子園で返す!
今年の第99回全国高等学校野球選手権兵庫大会は、神戸国際大附が明石商を破り、3年ぶり2度目の甲子園出場を決めた。神戸国際大附の攻守の大黒柱としてチームを引っ張ったのがプロ注目の大型捕手・猪田和希だ。今大会全7試合に出場して、20打数9安打、4本塁打14打点、打率.450、出塁率.458と圧倒的な打撃成績を残した。プロ注目としての評価が高い猪田。兵庫最強捕手の称号を引っ提げ、甲子園に臨む。
攻守に文句なしの成績を収めた猪田和希
猪田和希(神戸国際大附)
文句なしの成績だ。猪田の凄さは、全7試合で打点を挙げていること。そして準々決勝からの3試合はすべて勝利打点を挙げている。まず関西学院戦で初回に先制適時打が決勝打となり、準決勝の報徳学園戦では6回表に決勝本塁打、さらに決勝戦では先制本塁打、ダメ押しの適時打と全てに勝利につなげる場面で一打。そして守備でも盛り立てた。猪田は全試合でマスクをかぶり、7試合中、5試合が完封。さらに、1試合最多失点がわずかに2と、抜群の働きを見せた投手陣の力を引き出したのは猪田のリードによる部分が大きいだろう。一番の持ち味は抜群の強肩。イニング間の二塁送球は、1.8秒~1.9秒と超高校級のスローイングを披露し、たびたび盗塁を阻止。決勝では4回表に、二塁走者を刺す牽制、さらに、5回表には二盗阻止するなどエース・岡野佑大を盛り立てた。もしMVP制があれば、文句なしで選出されるだろうと思わせる活躍であった。
打撃の内容も素晴らしい。大会4本塁打のうち、2本塁打は好投手から打ったもの。準決勝では報徳学園のエース・西垣雅矢から本塁打を打ち、そして決勝では、明石商の2年生左腕・加田悠真から外角高めの直球を右中間へ本塁打。ダメ押しタイムリーを打った球種は低めの変化球に体が突っ込まず打ち返す技ありの一打であった。この夏の猪田を見ると、自分の間合い、自分のポイントで打つことができている。スクエアスタンスで構え、無駄のない動きからロスすることなく、インパクトまで滑らかなスイングでボールを捉え、体が突っ込むことなく、綺麗に腰を鋭く回転させた打撃フォーム。しっかりとボールに力を伝えることができて、鋭い打球を連発することができる。
この夏の活躍は、選抜の負けがつながっている。1回戦の東海大福岡戦はサヨナラ負け。しかもエラーで試合が終わった。神戸国際大附の選手たち、スタッフたちは口を揃えてこういった。
「自分たちは何もせずに終わってしまったんです」
あの試合の試合時間はわずか1時間37分。甲子園で戦った実績はあっても、戦った実感はないだろう。猪田自身は3打数0安打に終わった。甲子園の借りは甲子園で返すしかない。その一心で日々の練習に取り組み、猪田は兵庫県最強捕手という称号に相応しい成長を見せ、そして創部初の春夏連続甲子園出場へと大きく貢献した。
甲子園で暴れるチャンスがもう一度やってきた。兵庫大会でやってきたことを継続し、夏の甲子園初勝利を目指す。
(文=河嶋宗一)
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