試合レポート

丸亀vs英明

2017.07.11

丸亀「100回&101回主役候補」と「3年の意地」で第2シード・英明倒す!

 夏の全国高校野球選手権100回大会・101回大会で四国高校野球をけん引する主役候補がこの試合、丸亀から飛び出した。

 「100回大会主役候補」は今年3月4日(土)の県高野連審判講習会におけるピッチングでも球筋のよいストレートを披露していた2年生右腕・東山 怜士(2年・176センチ70キロ・右投右打・坂出市立坂出中出身)。当時の最速は136キロだったが、それから3ヶ月が経過した第2シード・英明戦では初回から球筋はそのままに球速は常時130キロ台後半、最速140キロへ進化。早稲田実業(西東京)との香川県高等学校野球連盟招待試合でも強打で魅せた英明打線を5回まで4安打無失点に封じた。

 「101回大会主役候補」は、その東山とバッテリーを組んだ岡本 匠平(1年・捕手・170センチ80キロ・右投右打・丸亀市立南中出身)である。岡本は1.84秒と高校トップクラスの二塁送球タイムばかりでなく、東山の特性を活かしたリードで英明を翻弄。さらには6番に座った打撃でも2回表、一死三塁から前進守備をとった遊撃手の横を抜く強烈な当たりの先制適時打を放つと、3回表二死満塁からも右前に運ぶ2点適時打。英明の最速138キロ右腕・藤井 拓海(3年・投手・182センチ88キロ・右投右打・高松市立太田中出身)のストレートに全く振り負けないスイングスピードの速さも目を引いた。

 対する英明は6回裏に無死一・三塁から5番・中西 凌(3年・左翼手・174センチ65キロ・右投左打・高松市立香川第一中)のレフト線適時打で待望の1点を奪うと、一塁ゴロフィルダースチョイス、外野失策、9番の代打・川田 裕貴(3年・外野手・169センチ62キロ・右投左打・高松レイダース<ヤングリーグ>出身)の適時二塁打で一挙5点を奪い丸亀・東山は右翼手へ退くことに。それでも丸亀下級生バッテリーの健闘は十二分に評価できるものである。

 そして土壇場。3年生の意地によりミラクルは起こった。丸亀は9回表無死から9番の代打・並木 竣志(3年・中堅手・169センチ67キロ・右投右打・香川大教育学部附属坂出中出身)の二塁打に続き、二死から3番・綾野 直貴(3年・二塁手・176センチ70キロ・香川大教育学部附属坂出中出身)が中越適時二塁打。4番・谷口 真啓(3年・一塁手・3年・168センチ80キロ・右投左打・香川大学教育学部附属坂出中出身)が左翼手の差し出すグラブのわずか手前に落とす執念の同点適時打。その裏、一死一・二塁のピンチは2番手の森田 智也(3年主将・178センチ76キロ・右投右打・香川大学教育学部付属坂出中出身)が遊ゴロ併殺に仕留め、試合は延長戦へ。

 さらに10回裏、途中出場の7番・澤井 駿輔(2年・三塁手・163センチ55キロ・右投左打・坂出市立坂出中出身)の絶妙三塁前バント安打などで一死一・二塁とした丸亀は8番・森田の遊ゴロ併殺崩れが失策を誘い、ついに勝ち越し。その裏は森田が1安打を許すも無失点で抑え、丸亀は優勝候補の一角と目されていた第2シード英明を、まさにチーム一丸の闘いで下した。

 なお勝った丸亀の3回戦は、7月16日(日)[stadium]四国コカ・コーラボトリングスタジアム丸亀[/stadium]で10時から行われる大会第7日・第1試合。香川県藤井vs小豆島中央の勝者と対戦する。

(レポート=寺下 友徳

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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