試合レポート

習志野vs銚子商

2017.07.21

習志野が終始、自分たちのペースで試合運び!銚子商との伝統校を制する

 20世紀の千葉県の高校野球をリードしてきた習志野銚子商の対決が41年ぶりの実現。それもあって、試合前から内野席スタンドは平日にもかかわらず多く埋まった。

 さてこの試合の見どころを上げるとすれば、試合運び、戦略、走塁、打撃、守備が長けた試合巧者・習志野に対し、銚子商が勝つにはとにかく打ち勝つしかない。先制点を取って、守り抜くという定石のゲームプランを敷きたくなるが、今年の銚子商習志野打線を抑えられる絶対的な投手はいない。取られたら、取り返せ。それが今の銚子商にとって最善のゲームプランである。

 しかし先制したのは習志野。1番池田来翔(3年)は中越え三塁打を放ち、チャンスを作ると、2番鈴木空吾(2年)は四球。3番石田瑛平(3年)は中前適時打で1点を先制!4番吉野海都(3年)は犠打で一死二、三塁。5番松本凌(3年)は一ゴロ。そして三塁走者が突っ込み、クロスプレーとなるが、セーフ。習志野がお得意の速攻劇で先制する。

 さらに習志野は2回裏にも1番池田の中前適時打で3対0と点差を広げる。一方、銚子商は、4回表、3番押樽がライトスタンドへ飛び込む本塁打を放ち、1点を返す。4回裏、しかし習志野は9番川島直之(2年)は四球。1番池田は左中間を破る二塁打で二死二、三塁。そして2番鈴木が左翼線を破る適時二塁打で2点を追加。この2点で試合の主導権を握った。

 5回裏、習志野は4番、吉野の右前安打、5番松本の犠打の後、6番菅谷 友紀(3年)の右中間を破る適時三塁打で1点を追加。7番加瀬 龍希(2年)は敵失で1点を追加。6回裏にも4番吉野の適時二塁打で8対1と大きく点差を広げた。

 投げては習志野の先発・山下が、右スリークォーター気味から常時125キロ~130キロ前後のストレート、スライダー、カーブをコントロール良く投げ分けるピッチングで、銚子商打線を押樽の本塁打1本に抑え、1失点完投勝利。銚子商打線のペースにさせなかった。

 習志野は伝統の機動力を絡めた攻撃は健在。その中でも1番池田は攻守でバランスが取れたプレーヤー。スクエアスタンスで構え、直球、変化球に対し、て、ボールに対応できる打撃技術を持ち合わせており、打球も速い。スピードもあり、大学で続けていけるレベルに達した選手ではないだろうか。

 銚子商は再三走者を出すが、決定打が出なかったのが痛かった。

(文=河嶋宗一)

習志野vs銚子商 | 高校野球ドットコム 全国各地の大会結果や試合レポートはここでチェック!
夏の大会特集ページ

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.06.26

【南北海道】函館支部では函館大有斗が9回サヨナラ、函館大谷はコールド勝ち【2024夏の甲子園】

2024.06.25

昨夏甲子園16強・北海の卒業生進路紹介!元巨人外野手の息子らが中央大、147キロ右腕は社会人へ

2024.06.25

【南北海道】室蘭支部では駒大苫小牧が北海道栄に完封勝ち、次戦の相手は苫小牧中央【2024夏の甲子園】

2024.06.26

【南北海道】小樽支部予選では、リベンジに燃える倶知安が初戦【2024夏の甲子園】

2024.06.26

【北北海道】旭川支部予選で、旭川実の151キロ右腕・田中が6回完全、11連続を含む15奪三振の快投【2024夏の甲子園】

2024.06.24

愛媛の組み合わせ決定!今春優勝の松山商・大西主将は「どのチームと闘っても自信をもってベストなゲームをしたい」シード4校主将が意気込み語る!

2024.06.21

なぜ高校野球の新たなリーグ戦は拡大し続けているのか?『チームのために個人がいる』ではなく『個人の成長のためにチームがある』~野球指導者・阪長友仁のビジョン後編~【『新しい高校野球のかたち』を考えるvol.7】

2024.06.23

プロ注目の大阪桐蔭・徳丸が大学生相手に決勝アーチ!直近3週間5本塁打と量産態勢!2年ぶり夏甲子園へ強打者の勢い止まらず!

2024.06.23

大阪桐蔭が名門・日体大に1勝1分け! スター選手たちが快投・豪快弾・猛打賞! スーパー1年生もスタメン出場 【交流試合】

2024.06.21

沖縄大会が22日開幕!八重山商工、宮古、小禄が登場、開幕戦での白星一番乗りは?【2024夏の甲子園】

2024.05.31

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在34地区が決定、佐賀では佐賀北、唐津商、有田工、龍谷がシードに

2024.06.24

愛媛の組み合わせ決定!今春優勝の松山商・大西主将は「どのチームと闘っても自信をもってベストなゲームをしたい」シード4校主将が意気込み語る!

2024.06.11

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在41地区が決定、長崎、高知、新潟、大分などでシードが決まる〈6月10日〉

2024.06.21

なぜ高校野球の新たなリーグ戦は拡大し続けているのか?『チームのために個人がいる』ではなく『個人の成長のためにチームがある』~野球指導者・阪長友仁のビジョン後編~【『新しい高校野球のかたち』を考えるvol.7】

2024.06.14

【福岡】九州国際大付は小倉商、東海大福岡は小倉南、春日は大川樟風、福岡大大濠は輝翔館と対戦【2024夏の甲子園】