【侍ジャパンU-18展望】決勝進出をかけた日韓戦!勝利のカギは先制攻撃だ!
決勝進出は韓国に勝つことが絶対条件!
9月9日、第28回WBSC U-18ベースボールワールドカップスーパーラウンド3日目。日本は現地時間13:00より韓国と対戦する。韓国を破るには、どんな戦いを見せればいいのか、考えていきたい。
決勝進出は韓国に勝つことが絶対条件!
後がない日本。もう一度、日本の決勝進出条件を整理したい。まずは韓国に勝つことが大前提。その上で、決勝進出できるパターンは以下の通りである。
・キューバがカナダに勝つ。無条件で日本が決勝進出。
・カナダがキューバが勝った場合、3勝2敗で、カナダ、韓国、日本が並ぶ。3チームが並んだ場合、「TQB」(チームクオリティーバランス)で一番悪いチームが落とされる。
・直接対戦成績
TQBは得点率(得点/攻撃イニング)-失点率(失点/守備イニング)により算出される。現在の条件では日本は5点差以内に勝利すれば、TQBで最も低いのがカナダとなり、日本は韓国と直接対決を制しているので、2位進出となる。逆に7点差以上だと、韓国が最も低くなり脱落。カナダが日本との直接対決を制しているので、2位となる難解なルールである。選手はそういう星勘定を気にする必要はない。勝てば、最低でも3位決定戦に回ることができるのだ。まずは最終日まで戦えるよう、目の前の韓国を破ることに注力を注ぐことが大事だ。
アメリカ戦まで全勝の韓国。投打ともに強力なチームだが、スーパーラウンドでは、右サイドのソン・ジュノン、エースのクァク・ビンが先発。そうなると台湾戦で好投を見せた梁敞渉、キムミンが有力となる。いずれも、140キロを超える速球と精度の高い変化球を武器にする先発型右腕。打ち崩すのは簡単ではないが、比較的、日本の投手たちと球筋は似ているので、アジャストをしやすい投手ではある。大量点は難しく、2~4点勝負となるだろう。それ以上に点を取る場合はなるべく先発投手を早く降板する粘り強い攻めを見せること。韓国はリリーフが弱い。そこは日本とは異なる点であり、付け入るスキはある。
一方、打線は今大会6本塁打。アメリカには完封負けしたとはいえ、やはり怖い打線であることには変わりない。4番カン・ベッコを中心とした打線は。ストレートに強い傾向にあり、145キロ前後の速球も、スタンドイン出来る対応力の高さがある。一本調子の投手では打たれる。そうなると変化球が長けた投手が投げるしかない。そうなると山下輝、川端健斗、田浦文丸の3人が軸となりそう。本当はここに櫻井周斗が入ると投手陣はもっと厚みが増していたが、点差を突き放せず、ほとんどが接戦。スーパーラウンドへ向けて、起用できる投手が少なくなってしまったのは残念だ。
総合力を比較すると、今年は韓国が上だが、日本は投手陣の投球術のレベルにおいては、世界トップクラスにある。最少失点で切り抜けつつ、やはり上位打線が奮起することが、韓国を打ち破るカギとなりそうだ。
とにかく先制点を挙げ、課題だった突き放す攻撃を実践し、試合の主導権を握り、決勝進出へ前進したい。
(文・河嶋 宗一)