都立日野vs都立小平
「完璧すぎるくらいの出来」という日野が５回コールド快勝
長嶺航太（都立日野）
ともに、都立校で実績のある西東京の有力校同士。ことに都立日野は近年、上位の常連校と言ってもいい存在である。この夏は4回戦で創価に惜敗している。都立小平は、初戦で敗退しているだけに、この秋はまずは本大会進出を目指したいところである。
お互いのシートノックの印象からも、好試合が期待されたが、序盤に主導権を握った都立日野が、中盤一気に爆発して思わぬ大差でコールドゲームとした。
都立日野の嶋田 雅之監督も、
「こんなに完璧に戦えてしまっていいのか…というくらいに、いい出来の試合でした」
と、素直に大差での改称を評価していた。
打線に関しては毎年しっかりと作られており、ある程度自信のある都立日野である。初回には、失策と2番広瀬海斗君の二塁打と四球で無死満塁としてから、連続犠飛で2点を奪うという社会人野球のようなスケールの大きな得点の仕方だった。さらに3回にも、2本目の二塁打を放った広瀬君を2本の内野ゴロで帰すというタイムリー安打なしでも得点するというソツのなさを示してリードを広げていった。
やや不安視されていた投手に関しても、1年生の長嶺 航太君が、夏の練習でマスターしたという小さく曲がっていくスライダーが有効で、2回には3者連続三振を奪うなど、都立小平打線を初回の先頭打者荻野 龍生君の二塁打一本のみに抑えての完封だった。
そして4回には4番坂本 拓海君の中越二塁打や西脇輝君の左翼への2ランなども飛び出して、打者12人で8点が入った。都立日野の各打者は、打球も鋭く、常に強いスイングを心掛けてきたこともしっかりと試合で表れていた。
「打線だけのことを言えば、今のこの時期では去年のチームよりは上じゃないかと思っています」
と、嶋田監督も自信を持っている。それだけに、ここへ来て長嶺君がしっかりと成長の跡を示したことによって、投手陣に柱が出来てこれば、やはり都立日野はこの秋も強いぞという印象は与えていくであろう。
都立小平としては、特に大きなミスがあったというわけではなかったが、じわじわと引き離されていき、4回にドカンと大きな失点で、これではさすがに富永 治彦監督としても、手の施しようがなかったというのが正直なところではなかっただろうか。
（文＝手束 仁）
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