横浜vs弥栄
万波の満塁弾で横浜が快勝
先発した及川(横浜)
保土ヶ谷球場の第1試合は、横浜VS弥栄。夏の甲子園出場メンバーが多く残り、秋も優勝候補の呼び声高い横浜に対し、星槎国際湘南、桐蔭学園を破って4回戦に駒を進めてきた弥栄が挑む。
関東は7月下旬から日照不足が続き、曇りや雨のすっきりしない天気の日が多かったが、今日は昨日に続き、秋晴れの野球日和となった。気温25.7℃、湿度76%、南西の風2.2m/sと、打者にとっては、弱い追い風の吹くコンディションで試合開始のサイレンが鳴った。
弥栄の先発、河野は初回の横浜の攻撃を三者凡退に抑える無難な立ち上がりだったが、2回につかまる。4番万波と6番長南を三振に仕留めたものの、5番吉原と7番小泉に四球を与えて二死一、二塁の場面。ここで8番及川はショートゴロ。スリーアウトチェンジかと思われたが、ショートのエラーで満塁とピンチが広がり、ラストバッターの遠藤が打席に立つ。遠藤はカウント1ボール1ストライクからチョコンとバットを出してセンター前に技ありのタイムリーヒットを放ち、横浜が2点を先制。さらに1番山崎、2番内海に連続四球で押し出しの1点が入り、横浜が3対0とリードする。
一方、弥栄は1回裏、横浜の注目の1年生左腕、先発の及川から先頭の森川が四球で出塁するも、続く2番堀江はフルカウントから高めのボール球に手を出して三振し、スタートを切った1塁ランナーも二塁で併殺となってチャンスを作れず。逆に横浜は、3回にも4番万波のレフト前ヒットと連続四球でまたも満塁のチャンスを迎え、ここで7番小泉がレフトにきっちり犠牲フライを放って4点目を追加。さらに盗塁とパスボールで5点目が入り、ランナー3塁となった所で、8番及川の鋭い打球をファーストがトンネル。記録は二塁打となって6点目、なおも9番遠藤のバントヒットと盗塁でランナー二、三塁となった所で1番山崎がセンター前にタイムリーヒット。この回、一挙5点を取り、スコアは8対0。さらに4回表もヒットの万波を一塁に置いて、6番長南に右中間を破る二塁打が出て、9対0と点差が広がる。
弥栄は4回裏、6番泉がレフト線に大きな二塁打を放ち、スコアリングポジションにランナーを送るが、続く代打の平子がショートゴロに倒れて無得点に終わる。これ以上の失点は食い止めたい弥栄だったが、横浜は続く5回表、一死後に1番山崎のファースト後方へのヒットと2番内海の四球、3番斉藤のサード強襲ヒットで再び満塁となった所で、バッターは4番万波。長い腕でバットを大きく振り抜くと、打球はレフトスタンドへ。万波にグランドスラムが飛び出し、横浜にダメ押しの4点が入った。ここで弥栄は先発の河野を諦め、ピッチャーを大宮にスイッチ。大宮は後続を抑えてリリーフの役割を果たした。
5回裏、横浜はエースナンバーをつけた板川がマウンドヘ。後がない弥栄は、ここで意地を見せる。先頭の代打、坂口がセンター前にヒットを打つと、9番野口は右中間、続く1番森川はライト後方へ長打性の球を放つ。しかし、いずれもセンター万波、ライト小泉の広い守備範囲で打球はグラブに収まって2アウト。板川は後続もセンターフライに仕留めてコールドが成立。横浜が弥栄を13対0で下してベスト8進出を決めた。
横浜は及川の好投、万波の満塁弾と、投打の主役が活躍しての快勝。一方の弥栄は、立ち上がりが良かっただけに、2回表の四球連発とエラーが悔やまれた。勝った横浜は、準々決勝で鎌倉学園と対戦する。
(文=松田祥二郎)
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