ケガをした直後にやってはいけないこと
急性期のケガは患部を冷やすことが大切。冷湿布よりも氷を利用しよう。
ケガをした直後にやってはいけないこと
スポーツにはケガがつきものですが、ケガには突発的に起こるスポーツ外傷と、繰り返し動作などによって少しずつケガの状態が悪くなってしまうスポーツ障害があります。野球は接触プレーの比較的少ないノンコンタクトスポートに分類されますが、ボールが身体に当たることによって起こる打撲や骨折、他の選手との接触プレーなど、突発的に起こるケガも比較的よくみられます。
スポーツ外傷は起こってから48時間〜72時間(2〜3日間)を急性期と呼び、その間は患部を安静に保って痛みや炎症などがこれ以上広がらないようにすることをまず優先させます。腫れている部位にはRICE処置を行い、適度な圧迫と冷却を行います。この時期に患部を温め続けたり、痛みがある部位にマッサージやストレッチなどを無理に行うと、逆に患部の炎症が広がってしまうことがあるので注意が必要です。帰宅してお風呂に入ると思いますが、この時期はあまり患部を温めすぎないように短時間で済ますか、汗などをシャワーで流す程度にとどめるようにします。傷ついた細胞が修復・再生するためには十分な血流が必要ですが、急性期の間は血流が増えると腫れが大きくなったり、痛みを伴ったりすることを理解しておきましょう。
氷で冷やす代わりに冷湿布を使うというケースも見られますが、冷湿布では患部を十分に冷却することが出来ません。薬剤の鎮痛効果や消炎をおさえる効果は期待できますが、湿布を貼ると最初は冷たい感覚があるものの、次第に熱がこもりやすくなり、はがした後に生温かい感覚が残ってしまうことになります。また長時間にわたって湿布を貼り続けると皮膚の表面がかぶれてしまったり、かゆくなってしまったりすることもあります。ケガをした直後のアイシングには氷や氷水などを使うようにしましょう。
また患部の状態を改善させるためには、身体全体のコンディショニングも良い状態に保つことが大切です。食事面では栄養バランスの良いものをとるように心がけ、睡眠不足などに陥らないように十分な睡眠時間を確保しましょう。就寝時は身体全体が冷えやすく、体調を崩しやすいので就寝時の服装や室温などにも気を配り、ケガの状態が早く改善できるように出来ることをしっかりと行いましょう。
文:西村 典子
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