夏野菜でコンディションを整える
夏野菜はカラフルな色で食欲を刺激し、夏のコンディションを整えるのにピッタリ
暑い時期に特徴的なコンディション不良といえば、脱水や熱中症に関すること。また「夏バテ」という言葉もあるように、冷たいものを取り過ぎて胃腸に負担をかけ、食欲不振におちいったり、何となく疲れが抜けなかったり…といったことが起こります。夏に旬を迎える野菜は、その時期に起こりやすいコンディション不良を整えるために必要な栄養素を含んでいます。旬のものをおいしく食べることは、体にとっても非常に効果的であるといえるでしょう。
熱中症は体の中に熱がこもってしまい、それをうまく調節できないことで起こりますが、夏野菜には水分やカリウムを含んでいるものが多くあります。水分補給は飲み物から補給すると考えがちですが、実は体に入る水分の約4割は食事によるものであるといわれています。食事を抜いてしまう欠食は、エネルギー源不足だけではなく、水分不足にもつながることを覚えておきましょう。夏野菜は水分補給とともに電解質のバランスを整えることが期待できます。またトマトやキュウリなど生で食べられるものも多いので、野菜に含まれる栄養素を手軽にとることができる点も夏野菜のメリットといえるでしょう。夏野菜の代表的なものを挙げてみます。
●きゅうり
水分を多く含む野菜(約96%)で知られているきゅうりは食べることで体を中から冷やす体温調節の役割があります。またミネラル成分であるカリウムを多く含みますので、汗で排出されるカリウムを補給することができます。カリウムが不足すると脱力感や疲労感を伴い、筋けいれんの原因ともなります。
●ナス
きゅうりと同じく9割以上が水分でできており、水分補給、カリウム補給に適しています。紫色の皮には抗酸化物質のポリフェノールが多く含まれており、激しい運動をした後に体内に発生する活性酸素による影響を抑え、疲労回復や抗炎症作用が期待できます。
●トマト
トマトは栄養価の高い野菜として知られ、ビタミンA、ビタミンC、カロテン、リコピンなどを多く含みます。リコピンは、体内の免疫力や抗酸化作用を高める作用があり、加熱処理によって吸収率がアップすると言われています。
●ゴーヤ
ゴーヤのビタミンCは加熱しても壊れにくいことが特徴としてあげられます。苦みが気になる人は、塩もみや水にさらしたり、軽く塩ゆでしてから使いましょう。また糖質をエネルギーに変えるために必要なビタミンB1や、カロテン、カリウムなどのミネラル分を多く含むため、ゴーヤチャンプルなどメインの食事としても、またゴーヤサラダなど副菜としても上手く摂りたい野菜の一つです。
文:西村 典子
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