試合レポート

横浜vs愛知産大三河

2018.08.09

下関国際が逆転勝ちで甲子園初勝利!

横浜vs愛知産大三河 | 高校野球ドットコム

 大会第5日目の第2試合は花巻東(岩手)と下関国際(山口)の一戦だった。

 花巻東の先発は伊藤翼(3年)の立ち上がり。ストレートの球速は120キロ台が中心だが、外角中心の配球で下関国際打線に安打を許さない。一方、下関国際の先発・鶴田克樹(3年)は先頭の谷直哉(3年)に安打を許すも、140キロ台のストレートにスライダーのコンビネーションで無失点に切り抜ける。両投手ともに無難な立ち上がりで試合は始まった。

 4回表、下関国際は先頭の甲山達也(3年)が安打で出塁すると、犠打と四球で一死一、二塁とチャンスを作る。相手のミスもあり二死二、三塁と走者を進めるが、あと一本が出ずこの回も無得点。

 先制点を奪ったのは花巻東だった。5回裏、二死から佐藤千暁(3年)が二塁打を放つと、つづく藤森晃希(3年)のあたりは遊撃への平凡なゴロ。しかし、甲山から一塁への送球が逸れ、その間に二塁走者が一気に生還。花巻東が1対0とリードする。

 1点を追いかける下関国際は6回表一死から走者を出すも、次打者が併殺となりチャンスを作れない。しかし7回表、2死から三連打で1点を返し同点に追いつくことに成功する。

 同点に追いつかれた花巻東は8回裏、先頭の谷が安打で出塁すると手堅く送り、一死二塁のチャンスを作る。ここで迎えた田中大樹(3年)が右前打を放ち、二塁走者がホームに戻り1点を勝ち越すことに成功。なおも一死二塁とチャンスはつづくが、後続に適時打は生まれずこの回1点止まり。

 9回表、1点ビハインドの下関国際は4番・鶴田から。鶴田は初球を振り抜くも平凡な遊ゴロに倒れてしまう。しかし、5番・吉村英也(3年)が中前に弾き返し、一死一塁と同点の走者が塁に出る。6番・下関国際木村大輝(2年)も安打でつづき一死一、二塁。ここで7回に適時打を放っている西山勇輝(3年)が再び適時打を放ち、土壇場で同点に追いついた。

 9回裏、花巻東は得点を奪うことができず試合は延長戦へと突入する。

 終盤に追いついて勢いに乗る下関国際は10回表、一死から連打で一、三塁のチャンスを作る。ここで川上顕寛(3年)があわや本塁打の大ファールの後に左前適時打を放ち、1点を勝ち越すことに成功。その後、吉村にも適時打が生まれさらに1点を追加する。

 ここで花巻東は投手を伊藤から西館勇陽(2年)にスイッチ。西館は後続を抑え、裏の攻撃に望みを託す。

 10回裏、花巻東は代打で登場した先頭の中村勇真(2年)が四球を選び、得点圏まで走者を進めたが、反撃もそこまで。下関国際が4対2で逆転勝ちを収めている。これが同校にとって甲子園初勝利。

 最後までひとりで投げ抜いた下関国際の鶴田は終盤でも球速は落ちず、10回にも144キロのストレートを投じるなどスタミナがあることを証明してみせた。スライダーを多投する場面も見られたが、ストレートに威力があるからこそ、変化球が生きたといえる。

 次戦の投球にも注目したい。

 

(記事=勝田聡

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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