侍ジャパンU18代表 野手陣考察 今年はザ・スモールベースボール。オーダーはどう組む?
左上から時計回りに根尾昴、小園海斗、藤原 恭大、中川卓也、日置航
野手メンバーをおさらい!木製バットの対応状況は?
侍ジャパンU18代表が決まった。投手編に続いて野手を考察したい。野手は木製バットを握って、実力や課題が透けて見えてきた。そんな野手のメンバーについて考察をしていきたい。
【内野手】5名
日置航 (日大三)
中川卓也 (大阪桐蔭)
根尾昂 (大阪桐蔭)
小園海斗(報徳学園)
奈良間大己 (常葉大菊川)
【外野手】3名
蛭間 拓哉(浦和学院)
峯圭汰(創成館)
藤原 恭大(大阪桐蔭)
【打撃面】
今年の中で、クリーンナップとして期待できるのは、藤原 恭大(大阪桐蔭)、野尻幸輝(木更津総合)、蛭間 拓哉(浦和学院)の3人だろう。この3人は、強いスイングができる上に、動作に無駄がなく、しっかりと対応できるところが強み。藤原、蛭間はここまで二日間の実戦形式では痛烈な安打を連発。野尻は2日目の実戦形式の練習で、左中間に鋭い打球を打って三塁打を記録。今年の代表メンバーでは、最も長打が期待できる3人だ。
また、根尾昂 (大阪桐蔭)、小園海斗(報徳学園)の木製バットの対応力はまずまず。根尾はバットスイングは鋭いものの、コンタクト能力がまだ足りない。これは経験値の少なさによるもので、短期間で修正できれば、長打は期待できる。小園はスイング軌道自体は問題なく、2日目の実戦形式の打撃練習では、外角ストレートを打ち返し、レフトの頭を超え、エンタイトルツーベースを記録し、調子を取り戻している。さらに生きたボールをしっかりと打ち返す強さが欲しいところだ。そして練習では代表初ホームランを打ったのが主将の中川卓也 (大阪桐蔭)が本塁打を記録。甘く入ったストレートをスタンドインする打撃技術の高さはチーム内でもトップレベル。さらに調子を上げていけるか。
また、峯圭汰(創成館)も捉える能力は高く、1つ1つの打球は鋭い。意識が高く、強い打球を打つにはどうすればいいか研究することができる選手だ。
そのほかの選手は木製バットの対応に苦しんでいる様子。ドアスイングになっている選手もいたり、下半身の回転が足りない選手も多く、いわゆる手打ちになっている選手が多い。これは普段の打撃練習で打撃フォームを固めていくしかない。
二遊間争いはし烈!主将経験のある5選手にも注目!
左:小園海斗 右:根尾昴
【守備面】
ノックを見ると、捕手は根来龍真(常葉大菊川)と小泉航平(大阪桐蔭)。一塁は野尻、二塁は日置航 (日大三)、奈良間大己 (常葉大菊川)。また2日目の練習では捕手の根来龍真(常葉大菊川)も二塁に入り、ノックを受けていた。三塁は中川卓也 (大阪桐蔭)、遊撃は小園、根尾の2人だ。
こうしてみると、守備力は非常に高い。特に根尾、小園の遊撃コンビの全く抜ける予感がしないし、日置、奈良間は動きが実に軽快。根来ももともと内野手ということもあって、動き自体は悪くなかった。二遊間争いは激戦となりそう。外野手では、レフトは峯、センターは藤原、ライトは蛭間だった。峯は一歩目の反応は早く、守備範囲の広さが魅力。また、投手の板川がレフトを守っていた。板川は投手陣の中ではナンバー2の打撃力がある。ミート力のある打撃、軽快な守備。なんでもそつなくこなす野球センスの高さは確かに外野手を練習させる必要性はあるだろう。
【走塁面】
やはり足が速く、走塁技術が高い選手が多く、盗塁を期待できるのは藤原、峯、小園、蛭間、奈良間の5人。今年もだが、木製バットということもあって長打を期待できる選手は少なく、足でかき回していくしかない。
【精神面】
今年は土壇場で力を発揮できる選手が多い印象。また、チームでは主将をやっていた選手が多く、まとめようとする意識が高い選手が多い。
代表チームの主将となった中川、そのほかには日置、蛭間、奈良間、峯の計5人。どうチームをまとめるのか心得ている選手たちであり、特に日置はポイントの場面での声かけが絶妙な選手。真面目な選手が多いので、劣勢時になって、どれだけメンタルの強さを発揮できるかは今後の試合で確かめていきたいところだ。
ドットコムが考えるオーダーはこれだ!
峯圭汰
【オーダー】
今回のチームでオーダーを組むのだったら、こんな形になるのではないだろうか。
1番ショート・小園
2番レフト・峯
3番ファースト・野尻
4番センター・藤原
5番ライト・蛭間
6番DH・根尾
7番サード・中川
8番セカンド・奈良間
9番キャッチャー・小泉
おそらくこういう形になると考えられる。1番小園はこれまでの経験を生かして流れを作ってくれるだろうと意味合いで1番。2番峯は練習の中でもバントが実にうまかった。いろいろな戦略が試せる打者だと感じた。
クリーンナップは代表メンバーで最も木製バットの対応力が高く、さらに鋭い打球を打っていた3人にした。6番以降は流動的。
とりあえず野手については限られた練習、練習試合、公式戦の中でステップアップすることである。そのためには代表コーチの下、木製バットでも強い打球を打ち返せる打撃技術、スイングの強さ、好投手から打てる対応力を磨いていきたいところ。また、実戦では選手たちの打撃内容、守備内容、走塁内容についてはレポートをしていきたい。
(文=河嶋宗一)