神宮で見せた大器の片鱗!西舘昂汰(筑陽学園)が狙うのは「甲子園で150キロ」
昨年11月に行われた明治神宮野球大会で、ベスト4に進出した筑陽学園。選抜甲子園への初切符も手にし、初出場での上位進出に期待が高まっている。
今回は、そんな筑陽学園の投手陣の中で、最速144キロの直球を武器に明治神宮野球大会ベスト4に大きく貢献した西舘昂汰投手に独占インタビューを行い、入学後の道のりから神宮大会までを振り返っていただいた。
楽しいなかにも緊張感があった大学生の練習から学ぶ
キャッチボールを行う西舘昂汰(筑陽学園)
―― 神宮大会はお疲れ様でした。今日はよろしくお願いします!それではまず筑陽学園に入った理由から教えてください。
西舘昂汰(以下、西舘) 中学生の頃は、二日市ボーイズというチームでプレーしていましたが、村山コーチという投手コーチに声をかけてもらったのがきっかけです。投球を見ていただいて、その後、監督の江口先生にも見ていただき、「きてくれ」と誘っていただきました。
―― いざ筑陽学園に入学して、どんなことを感じましたか?
西舘 最初は先輩が怖くて、慣れるまでは怒られてばっかりでした。でも慣れてからは本当に優しくて、コミュニケーションを取っていく中で楽しくなりました。野球のレベルが高くて(始めは)高校野球で通用する自信は全くなかったです。
―― 自信が無い中で、入学してからはどんな課題をもって練習に取り組みましたか?
西舘 体を大きくすることを先生から指摘されていたので、食べる量を倍にすることやプロテインの量を変えました。入ったときはスピードが遅かったので、上げるために体幹やスクワットに取り組みました。64キロから83キロまで体重が増えました。
―― なるほど!そんな西舘投手の持ち味はどんなところだと考えていますか?
西舘 身長が高く、手足が長いので打者がタイミングを取りづらいこと、変化球でカウントを取れることです。真っ直ぐに頼りすぎる部分があるので変化球をうまく織り交ぜることを意識してます。ストレートのMAXは144キロです。一番得意なボールは真っ直ぐです。
―― その合宿の成果として、秋季福岡県大会では優勝することが出来ました。印象に残っている試合はありますか?
西舘 1年生の時に3年生との遠征に参加させてもらったときです。9回の裏、4点リードの場面から投げて5点取られてしまったときです。この試合を潰してしまった経験が糧になっています。
―― 新チームが始まって最初の公式戦の福岡地区高等学校新人野球大会では福岡工大城東に2回戦で敗れました。敗退後はメンバーのみで合宿を行ったそうですね。
西舘 負けた後は、監督の江口先生から雰囲気づくりを大事にしろと言われました。大学の練習を見た時に、オンとオフの切り替えがはっきりしていたことが印象に残っています。楽しいなかにも緊張感があって自分たちも真似していきたいと思います。
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ピッチングを行う西舘昂汰(筑陽学園)
―― それでは続いて見事優勝を果たした秋季九州大会について伺いたいと思います。まず優勝できた要因はどんなところだと思いますか?
西舘 チーム全体の力だと思います。できない部分を他で補えていたので。バッティングがあまり良くなかったのですが、その分投手がカバーできていました。これが勝てた要因かなと思います。
―― 九州大会で印象に残った試合はありますか?
西舘 準々決勝の興南戦です。この試合で自信をつけることができました。相手投手も良くて、正直勝てると思ってなかったんですけどそれでも勝てて前と変わったなと思えました。
―― そして九州王者として迎えた明治神宮大会。2回戦では桐蔭学園を撃破してベスト4に進出しました。自信がついた部分と課題として出た部分を教えてください。
西舘 調子があまりよくない中でも、試合を崩さずに自分のペースで投げることができたことが自信になりました。その中でも最後の決め球で力が足りず、振り抜かれて大事なところで踏ん張れなかったのが課題になりました。
―― 無事、選抜甲子園への初出場も目前です。出場が決まったら甲子園ではどんなピッチングをしたいですか?
西舘 体を大きくして甲子園までに150kmを目指して投げることと、マウンドに上がったときは自信をもって、九州代表ということを忘れずに堂々と投げたいと思います。
―― 甲子園で対戦したいチームやバッターはいますか?
西舘 札幌大谷と星稜です。札幌大谷は自分が打たれて負けたのでリベンジしたいというのと、星稜の奥川恭伸投手と投げ合ってみたいです。
―― ありがとうございます!それでは最後に将来的な目標もお願いします。
西舘 大学に進学して、また神宮球場で投げたいです。大学を出た後はプロになって、小さな子たちに夢を与えられるような選手になりたいです。
取材・文=栗崎 祐太朗