選手との仲の良さは最大の自慢! 東邦マネージャー
秋季東海大会優勝校としてセンバツ出場が決まった愛知県の強豪・東邦高校。日々練習を頑張る46人の選手たちを支えるマネージャーは8人。強豪校のマネージャーさんはどんなことを思い毎日サポートをしているのか、日々の活動に迫っていく。
46人の選手たちを支えるマネージャー
前列左から角田 ひかるさん、大矢 亜未さん、志水 美紅さん、渡部 真世さん、小島 実花さん
後列左から石川 萌奈さん、嶋田 涼花さん、長﨑 晴歩さん
東邦高校46人の選手を支えるマネージャーは、志水美紅さん(2年)、大矢亜未さん(2年)、渡部真世さん(2年)、角田ひかるさん(2年)、小島実花さん(2年)、石川萌奈さん(1年)、嶋田涼花さん(1年)、長﨑晴歩さん(1年)の8名だ。
普段はバッティングマシーンのボール入れ、ノックのボール渡し、ドリンクのボトルを変えたり、ご飯を作ったり、練習試合時のアナウンス・SBO・得点板・球速測定などを行っている。また、投手マネージャーという役割もあり、投手のダッシュの本数を数えたりするなど投手のトレーニングをサポートする役割もある。
そんな活動をしていく中でおすすめのマネージャーグッズはタイマー、ペン、ホイッスルの三点だそう。バッティングマシーンのボール入れは少し変わった活動ではないかと話してくれた。
東邦のマネージャーたちは選手との仲の良さを大切にしていて、他の高校のマネージャーには負けていないと思う点だという。
マネージャーの仕事をしているときに、選手から「ありがとう」と言われるときにやりがいを感じるそうで、どんなに小さな事でも「ありがとう」の一言を言われた時はすごく嬉しいと語ってくれた。
そんな彼女たちが日々心がけている事は、辛い顔をせずに笑顔でサポートすることだ。そのようなお互いを思いやるコミュニケーションが、東邦高校野球部の仲の良さに繋がっているのではないだろうか。
マネージャー活動の中で一番楽しい時間は、スタンドにいる仲間と一緒に応援しているときだと話してくれた。みんなが一生懸命戦っている姿を近くで応援できてすごく嬉しく、点が入った時やヒットを打った時に、みんなで喜び合っているときがすごく楽しいと話してくれた。
思わず選手に胸キュンする瞬間は、試合で勝ったときに笑顔でガッツポーズやハイタッチをしているとき。やはり喜びがはじける瞬間の胸キュンは格別なのだろう。
マネージャーあるあるは何ですかとの問いには、「長期休暇のときには坊主しか見ないので始業式で同世代の髪の毛がちゃんとある人を見ると違和感がある」と、とても面白い回答をしてくれた。
特に思い出に残っている試合については、10月27日の[stadium]四日市市営霞ヶ浦球場[/stadium]で行われた中京学院大中京だと話してくれた。この試合、5点差で負けていたのだが、9回裏に同点に追いつき、10回表にまた1点勝ち越されたものの、また10回裏で逆転したという劇的な試合だった。春の選抜出場に向けての大事な試合に勝てたことが、本当に嬉しかったと語る。
昨夏の大会で最も記憶に残っている場面は7月16日の[stadium]春日井球場[/stadium]での中部大春日丘戦。8対5で負けていたのを、9回裏に2本のホームランなどで6点を入れて逆転した試合だ。「負けたら3年生が引退だったので次の試合に繋がって嬉しかった」と語ってくれた。「尊敬できる存在だった」3年生たちとの夏が伸びた喜びは、後輩である彼女らにとってもひとしおだったことだろう。
チームの選手たちへのメッセージを求めると「毎日全力でみんなのことをサポートするのでこれからも一生懸命頑張ってください!」と熱い言葉を残してくれた。
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八戸学院光星戦がきっかけでマネージャーを志す
志水美紅さん(2年)
ここからは2年生マネージャーの志水さんに普段の活動への思いを聞いていく。
志水さんがマネージャーになろうと思ったきっかけはお姉さんの影響だそう。中学時代はバスケットボール部だった志水さん。お姉さんが東邦高校のバトン部で活躍されていて、野球応援をしていたのでよく試合を観戦しに行っていたそうだ。
試合を見ているうちに野球に興味を持ち、2016年夏の甲子園で、あの劇的な八戸学院光星戦を見てあきらめない姿に感動し、東邦高校のマネージャーになりたいと思ったと話してくれた。
志水さんが目指すマネージャー像は、「選手が気持ちよく練習できるようにマネージャーができることを精一杯やり、みんなの力になり、いろんな人から頼られるマネージャー」だ。
その他にも、ピッチャーマネージャーとしてサポートし、みんなから信頼されるマネージャー、自分の笑顔で周りを元気にできるようなマネージャーになりたいとも話してくれた。
マネージャー活動を通して周りのことをよく見られるようになったことと、責任感が持てるようになったと話す。「もし、マネージャーをしていなかったら周りのことを気にせず精神的にも弱い人間になっていたと思います」と話してくれた。
マネージャー活動をしている中で嬉しかったことは、バッティングマシーンのボール入れをしたときやボトルを変えたときなどに選手が「ありがとう」とお礼を言ってくれることだそうで、「当たり前のことをしているだけなのに感謝されるとすごく嬉しい」と話してくれた。
また、挫折しかけた経験を尋ねると、「入部したばかりのころに体力的にも精神的にもきつくて辛いと感じたことはあったが、辞めたいと思ったことは一度もありません」とはなしてくれた。この一言にマネージャーとしての想いの強さを感じた。
自慢のエピソードは、「大会前にいつも渡しているお守りを渡したときに、一度だけ全員で写真を撮ったこと」だと話してくれた。こんな一幕からも、野球部全体での仲の良さがうかがえる。
志水さんが落ち込んでいるときなどに選手からいつも「大丈夫だよ」「頑張ろうぜ」と声をかけて励ましてくれることが心に残っていることだという。
マネージャーという存在について一言で言うと、「選手の支えになれるような存在」だと志水さんは言う。
チームのキャプテン山瀬くんは「裏方の仕事をいつもやってくれるから、自分たちが野球の練習に集中できていると思います。マネージャーは野球部で一番大切な存在です」と、これ以上ないくらいの感謝の気持ちを表してくれた。
選手たちに大切にされ、信頼されるマネージャーさんたち。そんな彼女たちは誰よりも選手思いで、全力で選手たちを支えてあげたいという日々の思いをもって活動していることがとても伝わってきた。
センバツでも彼女たちの応援が甲子園に響き、また日々のサポートの成果が発揮され、選手たちの活躍の原動力になることだろう。
そんな東邦高校の選手とマネージャーさんたちの活躍に、これからも期待して追いかけていきたい。
(文=編集部)