試合レポート

未来沖縄vs名護

2019.03.27

苦しみながらもシーソーゲームを制した前年度王者

 宜保翔(オリックス)を中心とした昨年、春の頂点に立ったKBC学園未来沖縄名護の見事な攻守に苦しんだが、終盤の強さを発揮して初戦突破を果たした。

苦しい終盤、ワンヒットで同点にした4番神里

未来沖縄vs名護 | 高校野球ドットコム
1KBC学園未来沖縄・金城

  先制したのは名護。2回、四球の走者を内野ゴロの間に二塁へ進める。ここで9番屋冨祖海の打球はセンター前へ。ショートの伊波、センター神里志温が懸命に追うも、その間に落ちるタイムリーとなった。追うKBC学園未来沖縄は4回、一死から9番當山信斗のレフト前ヒットを足がかりに一・三塁としクリーンアップへ。3番喜多慧人が期待に応えライト前へ運び同点とした。

 その裏名護は二死から8,9番が連打でトップへ。1番宮城来樹の当たりはライトへ。風にも乗った打球はグラブを差し出す野手の上を越え、2点タイムリーとなった。5回、KBC学園未来沖縄は二死二塁から、8番玉城舜基のセンター前タイムリーで1点。さらに當山にもタイムリーが出て再び追いつくが、その前に盗塁を決めていた玉城の足とベンチの采配も見事だった。

 グラウンド整備が終わった6回、KBC学園未来沖縄はヒットの走者を内野ゴロで進めて4番神里が、レフトへのタイムリー二塁打を放ちついに勝ち越し。その後、相手のワイルドピッチで神里が生還した。だが名護の粘りも凄まじかった。

 その裏、下位打線でチャンスを作り二死満塁としてクリーンアップへ繋げる。ここで3番比嘉優宇がセンター前への同点タイムリー。4番城間が死球で出塁すると、5番上原舜がレフト前へ運び相手を突き放した。

苦しいときこその4番

  1点を追う終盤8回。何とか追いつきたいKBC学園未来沖縄は、4番神里がヒットで出塁。ここで盗塁を試みた神里。その身体能力は宜保翔に勝るとも劣らない神里の足が、相手バッテリーに少しの焦りを生んだか。悪送球も誘い神里は三塁へ。次打者の内野ゴロの間に神里が生還し同点とした。

 頼れる4番の鼓舞がナインにも伝わる。9回、一死二塁から2番嘉数塁がヒットで繋ぐと、3番喜多がプレッシャーに負けずスクイズを決めて三たび勝ち越し。これが決勝点となり、大会連覇を狙うKBC学園未来沖縄がシーソーゲームを制し2回戦へコマを進めた。

(文=當山雅通

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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