舞子vs神戸高専
今年の舞子は1番と9番にご注意を!
9番藤井(舞子)
兵庫県大会地区予選決勝戦。すでに県大会出場が決まっており、この決勝は順位決定戦だ。秋では地区予選敗退だったが、県大会出場を決めた舞子と神戸高専の対決は打ち合いとなった。
まず先制したのは神戸高専。一死一、二塁から7番金沢の適時二塁打で1点を返し、代打・久米の犠飛や1番清水の適時三塁打などで一気に4点を入れて逆転に成功。しかし神戸高専も2回裏、二死から連打でチャンスを作り、3番鈴木の適時打で1点を返せば、4回裏にも2番手としてマウンドに登る丸谷が右前適時打を放ちに同点に追いついた。
4回表、舞子は6番福島の三塁打をきっかけに敵失、犠飛などで一気に4点を追加。1点を返されたが、8回表には、1番清水の適時打、9回表に7番金沢の適時打、9番藤井の適時二塁打、押し出しで4点を入れ、13得点。最後は3投手の継投リレーで快勝した。
印象に残ったのが舞子打線の迫力だ。どの打者も下半身の充実ぶりが素晴らしく、打球も鋭い。きっかけは学校内にあるウエイトリフティング部の先生から指導を受けたことが大きいようだ。小野賢一監督によると「どの選手も伸びて去年の上位打線を打っていた選手をあえて下位打線にするほど厚みがましました」と手ごたえを感じている。
3打点の活躍を見せた主将の清水敦耶(右投げ左打ち・サード・170センチ68キロ)は秋までは3番打者だったが、この春から1番打者となった。清水もウエイトリフティング部の指導で大きくパワーアップした。
「先生からどの部位を鍛えればいいのか、非常に参考になりました。僕は下半身の部位を鍛えていきました」
一冬開けると、飛距離が伸び、左中間方向への打球の伸びが出てきたと感じた清水。打撃を見ていてもどっしりとした構えで下半身主導でスイングができるので、打球の1つ1つが鋭い。また、もともと二遊間を守っていたということもあって、三塁守備は身のこなしが良く、捕ってから投げるまでの動きが速く、スローイングも安定している。強豪校の野手と比較手してもそん色ない力量があり、タイプ的には神戸の野邊優汰(明豊)みたいな選手だと思っていただければいいだろう。
また9番の藤井秀悟(右投げ右打ち・ライト・173センチ68キロ)はもともと1番打者。構え遅れがなく、レベルスイングでしっかりとパンチショットできる技術力の高さ、颯爽と駆け抜けるベースランニングのうまさは素晴らしく、本人が最も自信にするのはスローイングで、遠投100メートルを誇る。藤井は打撃を意識することについて
「どれだけバットを前に出して捉えられるかを意識しています」としっかりと自分の打つべきポイントを理解している。
今年の舞子は1番、9番に要注意だ。
敗れた神戸高専もボールを捉える能力が高い選手が多く、三塁手ながらマウンドに登り、125キロ前後の速球を投げ込んだ鈴木、投手だけではなく、センターでも反応の良い守備を見せた竹澤とセンスが高い選手が多かった。
(取材=河嶋宗一)