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【逸材レポート】佐々木朗希(大船渡)平均球速が初戦から5キロアップ!ノーヒットノーランのピッチングを徹底分析!

2019.07.19

 3回戦の一戸戦で6回13奪三振、無安打無得点を記録し、まるで現代に生きる江川卓のような投球を見せる佐々木朗希。今回も球種別で、投球を振り返っていこう。

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まさに制圧という表現がぴったりの投球

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佐々木朗希(大船渡)

■ストレート 最速155キロ 150キロ以上 14球 平均球速147.98キロ
 この日は1人目の打者から明らかにギアが入っていると思わせる投球だった。一戸の1番西野に対して、151キロのストレートで空振り三振。初戦では見せなかった150キロ越えのストレートを見せてくれたのである。その後も唸るような150キロ台のストレートを投げ込む。

 2回表、二死から6番柏葉に対して、外角高めに決まる最速155キロのストレートは思わずうならされるものだった。その後も150キロ前半のストレートを投げ込み、次々と空振りを奪う佐々木。平均球速は初戦の142.5キロから5キロも速い147.98キロなのだから、明らかにレベルが違う。おそらく一戸は速球対策をしていたと思うが、球速に加えて空振りが奪える球質を持った佐々木がギアを上げると、手の打ちようがない。実際にストレートは当てるのが精いっぱい。前に飛ぶだけでも歓声が起きるほどだった。

 速いだけではなく、コントロールも大きく乱れる様子はない。アウトローに決まるストレートは見事の一言だ。

■フォーク
 この試合ではフォークも解禁。次々と空振りを奪った。縦スライダーと違い球速もあり、鋭角に落ちる。

■スライダー 

 130キロを超えるスライダーは大きく曲がる。スライダーは精度に差があり、打者の手元で膨らみが小さく曲がることがあれば、曲がり始めが早く、捉えられることがあった。スライダーのコントロールは次戦までの修正を期待したいところ。

■縦スライダー
 縦スライダーの精度も抜群。前半ばらつきはあったが、回を追うごとに精度が増していた。

【総括】

 前半、制球にばらつきがあり、ボール先行になることが多かった。しかし回を追うごとに精度が増し、ストライク先行のピッチングを展開し、まさに制圧という表現がぴったりの投球だった。

 次の4回戦の盛岡四戦は雨で延びて、21日となった。佐々木にとっては恵みの雨だろう。さらなる快投を期待したい。

文=河嶋 宗一

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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